日本のユーザーなら、70年代の自転車の“電子フラッシャー”を思い出す!? 同年代のクルマにもあったが、国内法規の改正に伴い、LEDの“流れるターンシグナルランプ”を新採用してきたのはポイントのひとつ。
商品改良された『Q3』は、シングルフレームグリルも新形状だ。グリルの立体デザインは他社でも見られるが、アウディはグリル自体のサイズが大きい分、バンパーに埋もれた部分まで“想像”して眺めるとかなりの存在感。ヘッドランプ等、やや直線的に仕上げたのも、同社の新しいデザイントレンドの一環だ。
試乗車は1.4リットルTFSIエンジン搭載のFF車。日頃、上級グレードに試乗する機会は多いが、ベースグレードは珍しく、布シートならではの新車の匂いとプレーンさが、懐かしいというか、かえって新鮮。3つのダイヤルが並ぶ空調(マニュアルエアコン)、手動式のシート高さ調整等、すべて簡素だが、これはこれでまったく不満はない。
走りは軽快なもの。ステアリングの操舵力が僅かに軽めに感じるものの、それは街中から高速、山道と、一環してドライバーの体力的負担が小さくて済むから……そう理解できる。動力性能も軽やかで、ミッションは6速ながらまったく不満なし。乗り心地も穏やかだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。