【ボルボ V60 ディーゼル 試乗】ワゴンボディとのマッチングがいい…諸星陽一

試乗記 輸入車
ボルボ V60 D4 SE
ボルボ V60 D4 SE 全 12 枚 拡大写真

今年は輸入車がディーゼルエンジンモデルをぞくぞくと追加している。ボルボも同様にディーゼルエンジンモデルを多くの車種に設定してきた。

ボルボが設定するディーゼルエンジン搭載車は『V40』、『V40クロスカントリー』、『S60』、『V60』、『XC60』の5機種。今回の試乗車はV60をチョイスした。

搭載されるディーゼルエンジンは2リットル4気筒の直噴ターボで、最高出力は190馬力、最大トルクは40.8kgmとなっている。最大トルクの発生回転数は1750~2500回転と低めだが、最高出力は4250回転で発生。2500回転を過ぎるとトルクが落ちる特性だが、回転でパワーを稼げる特性でもある。

実際に走らせてみても低速からグングン前に押し出されるような力強い加速が魅力。ガソリンエンジンなら4リットル級といってもいいほどの40kgmのトルクを持つのだから、その力感の強さは当たり前といえば当たり前だ。ミッションは8速のトルコン式が組み合われ、100km/hのエンジン回転数は1500回転と低い。このトルクの塊のようなフィーリングはワゴンというジャンルとベストマッチする。

エンジンを始動すると若干ながらディーゼルらしい振動とノイズが伝わってくる。ほかの試乗車が出発するシーンを外で眺めていると、少し大きめのディーゼルノイズが耳に入ってくる。車内ではかなり消されているディーゼルノイズだが、車外ではちょっと目立つレベル。しかし、当然のことながら排ガスの匂いや色などは一切ない。

ハンドリングは十分に熟成された落ち着き感のあるもの。V60のマルチリンクサスは、しっかり動きつつタイヤを正確に路面に追従させる感覚が高く、乗り心地とハンドリングを両立させている。ディーゼルエンジン搭載モデルもこのフィーリングは変わらない。

「V60 D4 SE」の車両本体価格は474万円。自動ブレーキやACC(追従型クルーズコントロール)、各種安全装備は標準装備。エコカー減税ではクリーンディーゼルにカテゴライズされ、自動車取得税と自動車重量税は免税、自動車税は75%減税となる。

ボルボジャパンはガソリン車の「T4 SE」との価格&コスト面での比較を試算している。それによると、車両本体価格の価格差は25万円、エコカー減税を反映すると14万4000円ディーゼル車が高い。しかし、ガソリンを1リットルあたり145円、軽油を110円、年間走行距離を1万kmとしてJC08モード燃費で計算すると3.2年でその14万4000円を補填できるという。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  2. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  3. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  4. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る