【SUPER GT 第4戦】実質的な後半戦突入へ…真夏の富士ラウンド開催前日

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現在GT500クラスでポイント首位の#37 RC F。
現在GT500クラスでポイント首位の#37 RC F。 全 11 枚 拡大写真

SUPER GTは8~9日に静岡県・富士スピードウェイで今季第4戦の開催を迎える。開催前日の7日、富士では各チームがマシン・機材の搬入やピット設営を行ない、ドライバーたちも続々とサーキット入りするなど、後半戦突入ムードが高まってきている。

今年はタイ大会が第3戦として6月の開催になったため、マシン輸送の関係等で国内大会はゴールデンウイークの第2戦富士から今回の第4戦富士まで“変則富士連戦”のかたちで約3か月の間隔が空き、ファンにとってはいつも以上に待望の夏休み開催レースともなっている。また、ここからは3か月強の期間で国内5大会を戦うこともあり、全8戦中の第4戦ではあるが、実質的にはシリーズ後半戦突入という雰囲気も強い。

さて、シリーズ3戦を消化した現在、全15台参戦のGT500クラスではドライバーズポイント上位の3組が25点を超えてきているが、この25点というのはGT500に関しては戦況分析におけるひとつの“ライン”となる。第6戦まではウエイトハンデがドライバーズポイントの2倍(kg)という規則だが、50kg(つまり25点)を超えた場合は50kg相当分がエンジンの燃料流量リストリクターによる調整(パワーダウン方向)に振りかえられ、残りが実重量ハンデというかたちになるからだ。

今季は今回の第4戦で3台のマシンが初めて50kg振りかえ対象となっているが、富士という長いストレートを有するコースで燃料流量リストリクターを“絞られる”ことがどう戦闘力に影響するか、これが戦局を左右することとなる。

昨季は日産GT-R勢がこの規則にうまく対処できていた感がある。また現行規定マシン導入の昨季以来、直線スピード重視仕様の空力で走る富士では特に速さを見せているGT-Rでもあるだけに、今回50kg振りかえ対象となった2台の動向には要注目だ。現在27点でGT500ドライバーズランキング2位の#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/ブリヂストン=BS)は「50kg振りかえ+4kg」、同ランク3位で26点の#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)が「50kg振り替え+2kg」で第4戦富士に臨む。

一方、現在30点で同ランク首位の#37 KeePer TOM’S RC F(A.カルダレッリ&平川亮/BS)は「50kg振り替え+10kg」。幸先良い開幕戦勝利によって、ハンデ的には辛い道を辿ることにもなったレクサスの若手コンビだが、第2~3戦も連続6位と堅実なレース運びが光っている。今回もしっかり結果を残してランク首位を守れるかどうか。

#37 RC Fの平川は、フル参戦は今年が初めてだが昨季からの戦況等を踏まえつつ、最近の他コースでのテストの感触から「もちろん他陣営のことは分かりませんけど」としながらも、「去年のようなことはないと思います。レクサス勢全体がエンジン的にも速くなっていますから」と、手応えの高さを語る。今回のレースに向けては「順位的な目標は特にないですけど、#12と#1をある程度は意識する状況のなかで、ひとつでも上の順位でゴールしたい。ただ、まだまだどこが(シリーズ上位に)上がってくるは分からない状況ともいえます。とにかく自分たちが失敗しないことが大事ですね」と展望を話していた。

前戦優勝の#46 S Road MOLA GT-R(本山哲&柳田真孝/MI)は現在24点、よって燃料リストリクターへの振りかえ調整なしで48kgを積んで走る。ランク上位3車とはマシンの“状態”が大きく異なる#46がどういうパフォーマンスを見せるかも今回の焦点となるだろう。また、ここ2戦は不運等もあってノーポイントだった実力派コンビ、#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明/BS)がハンデ22kgと比較的“恵量”なだけに、富士の優勝争いの主役は彼らが演じる可能性も高いと予想されるところ。昨年のこのレース以来勝利がないホンダNSX CONCEPT-GT勢の巻き返しにも期待をかけたい。

多種多彩なマシン群が29台エントリーするGT300クラスも激闘必至だ。GT500同様に日産GT-R勢が2連勝中だが、これがさらに伸びるか、あるいは他のマシンが止めるか、ここが最大の焦点となるであろう。

猛暑のコンディションが予想されるなか、GT500のMI対BSを中心としたタイヤ戦争がどう展開するかも楽しみなSUPER GT 第4戦「FUJI GT 300km RACE」。8日に公式予選、9日に決勝(66周)が実施される。

《遠藤俊幸》

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