【メルセデスベンツ CLA シューティングブレイク 試乗】リアの窮屈さ払拭したワゴンモデル…諸星陽一

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ CLAシューティングブレーク
メルセデスベンツ CLAシューティングブレーク 全 10 枚 拡大写真

メルセデスベンツ『CLA』のワゴンモデルである『CLAシューティングブレイク』に試乗した。

従来シューティングブレイクはスポーツカーに荷室をプラスしたパッケージングで、ボディの形状としては3ドアとなるのが通常だが、現代のメルセデスベンツでは『CLSシューティングブレイク』とともにサッシュレルの4ドアモデルに荷室をプラスしたモデルをシューティングブレイクと呼んでいる。

CLAのルーフを延長するに当たって、ルーフの高さもリヤシートバックの上あたりで高くなっている。このため、リヤシートのヘッドルームはCLAに比べて高さで42mmも広げられた。乗り込んでみるとそのゆったり感は素晴らしい。CLAで感じた窮屈さはない。ただし、サイドのスタイリングを維持するためにリヤのドアガラスの高さは抑えられている。つまり開口部の高さもあまりないので、乗り込むときはしっかり頭を下げて潜り込むような体勢となる。

ラゲッジルームは定員乗車状態で495リットルの容量を確保。ゴルフバックだと2個が搭載可能だという。CLAと比べると25リットルの容量アップだが、ノッチバックと違って自由度が高い分、実際にはもっと荷物が積める。リヤシートは1対2の分割可倒式で、フルラゲッジでは1354リットルの容量を誇る。リヤゲートはリヤコンビランプをボディ側に残したまま開くタイプなので、ラゲッジ開口部は絞り込まれたようになるが、開口部までの高さは抑えられているので荷物の出し入れそのものには問題はない。

試乗車の「250」は2リットルのターボ付きエンジンで、211馬力を発生。トルクは350Nmで1200回転という低い回転数から、4000回転までそれをフラットに維持する。エンジンのトルク感は非常に強い。ちょっとアクセルを踏んでやるだけで、クルマをグングン前に進める。

CLAシューティングブレイクは、AクラスベースのFFモデル。高トルクエンジンと組み合わせると不安定な動きを示すものだが、それを見事に消し去っているのもCLAシューティングブレイクのいいところ。ステアリングに切れ角がついた状態でアクセルペダルを踏んでいっても、クルマは安定感を失わない。なにも知らずに乗ったら、CLAシューティングブレイクがFFであることに気づかない人もいるだろう。

乗り心地はゆったりしつつも、しっかりとしたハンドリングを示すタイプ。4ドア車として許される乗り心地と、スタイリッシュなスタイルから想像するスポーティなハンドリング。つまりエクステリアから直感するクルマの動きが、そのまま具現化されている。

メルセデス・ベンツ日本では、CLAシューティングブレイク、CLA、『GLA』、Aクラス、『Bクラス』と合わせた5車種を戦略モデルと位置づけ、エントリーしやすい価格設定で販売している。このCLAシューティングブレイクに関して言えば、スタートプライスは360万円。残価設定ローンを使うと月々1万3000円で乗り始められるとのこと。日本車もうかうかとしていられない状況が目の前にある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
  5. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る