【コミケ88】ことしもドコモが“痛基地局”…「ラブライブ!」が楽しさと快適環境を提供

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コミケの会場にやってきた、ドコモの「ラブライブ!」特別仕様の移動基地局車
コミケの会場にやってきた、ドコモの「ラブライブ!」特別仕様の移動基地局車 全 10 枚 拡大写真

 夏休みも真っ盛りの8月14日から、東京ビッグサイトでは国内最大の同人誌即売会「コミックマーケット88」が始まった。熱気溢れる会場に、今年もNTTドコモがLTE対応の移動基地局車を派遣。Wi-Fiアクセスポイントも広域に配置して“つながる”ネットワーク環境を提供している。同社にとって2回目となるブース出展と合わせて、会場のもようを取材した。

■より快適なネットワークを目指すドコモの“コミケ専用エリア対策”とは

 3日の期間中、50万人を超える来場者が訪れるというコミックマーケット、通称”コミケ”は年間数多くのイベントが開催される東京ビッグサイトでも特に賑わう催し物の一つだ。会場のオープン待ちや、人気ブース・販売コーナーへの入場を待つ長い行列がそこかしこに作られる場内には、スマホやタブレットを携えて行列に並び、待ち時間を少しでも有意義に過ごそうと工夫を凝らす来場者の姿が多く見られる。NTTドコモでは、モバイル端末を片手に訪れる来場者に快適な環境を提供するために、ネットワークの強化対策に力を注いでいる。

 4つのLTEバンドを使用するドコモでは、昨年度からそれぞれの周波数の特徴を活かした「クアッドバンドLTE」を展開。20MHz幅の1.7GHz帯、および15MHz幅の1.5GHz帯の帯域全てをLTE専用とする「フルLTE」もユーザーの支持を集める。

 大規模なイベント会場内に高品質なネットワークエリアを構築するため、NTTドコモでは「東京ビッグサイト周辺基地局」「移動基地局車(PBTS)」「Wi-Fiスポット」の3点について強化を図った。具体的な対策について、担当したNTTドコモの吉村美徳氏、沼田孝太氏にうかがった。

 周辺基地局については、下り最大112.5Mbpsの通信を実現する15MHz幅の2.1GHz帯を増強。安定した高速ネットワークエリアを提供する。移動基地局車(PBTS)を西側ホールに1台、東側ホールに2台の合計3台を配備する体制は直近の2014年・冬コミケの時と同じだが、今回は3台全てがドコモのクアッドバンドLTE(2.1GHz/1.7GHz/1.5GHz/800MHz)をフルサポートする車両にグレードアップされている。

 さらにWi-Fiスポットについては、アクセスポイントの増設に踏み切った。来場者が多く集まるエントランスプラザやイベントプラザにアクセスポイントを打つことで、LTEだけでなくWi-Fiでもつながりやすいドコモのネットワークをユーザーにアピールする。Wi-Fiエリアの品質強化については、ほかにもコミケでは「Wi-Fiサポーター」と呼ばれるアンテナを背負ったスタッフも大切な役割を担っている。Wi-Fiサポーターの強化対策について、担当した沼田氏はこう説明する。

 「昨年の冬コミケまでは統制スタッフや監視対応スタッフまで含めて30人体制でスタッフを配置していましたが、今年はWi-FIサポーターだけで約30人、その他スタッフを含めると50人規模になっています。コミケの会場は時間帯によって来場者が賑わう場所が変わるので、その変化に合わせてスタッフを移動させながら、効果的なエリア対策を立てています」(沼田氏)

 「Wi-Fiサポーター」の実施は今回が4度目になるので、スタッフの増員を行いながら、最も効率よく快適に使えるWi-Fiネットワークを構築するためのノウハウが蓄積されてきたようだ。沼田氏のコメントからも自信のほどがうかがえる。

 ほかにも移動基地局については車両をより会場に近い位置へ配置するとともに、人の多く集まるポイントに電波が届きやすいよう、アンテナの向きを変えるなど細かな調整が行われた。

 移動基地局車両は、こちらもNTTドコモにとって今回がコミケで4度目のチャレンジとなるスペシャルラッピング仕様に。人気アニメ「ラブライブ!」のキャラクターが集まるイラストでラッピングされた車両が、多くの来場者が行列をつくって待機する西側ホールの屋外駐車場にスタンバイする。

 NTTドコモの吉村氏は、コミケのような大規模なイベントに参加を続けてきたことで、同社のエリア対策に関連するノウハウがしっかりと蓄積されてきたと語る。その上で、今後の目標として「先日は富士山の山開きに合わせて山頂を“プレミアム4G”のエリアとしましたが、この成功をコミケをはじめとするイベントでのエリア強化対策にも下ろして広げたいと考えています。より高速なネットワークサービスをドコモが提供していきます」と意気込む。

 今回もイベント初日の会場をまわって、LTEのネットワークを中心にいくつかのポイントで品質をチェックした。測定には「RBB SPEED TEST」アプリとiPhone 6を使っている。

 西側ホールの「ラブライブ!」特別仕様の移動基地局車の付近では、いきなり下り60Mbpsを超えるハイスピードを計測。上りの通信速度も13Mbps台の好成績だ。東側ホールに場所を移して、再び屋外で計測してみたところ、下りのスピードは50Mbps前後、上りも20Mbps前後を軽く超えてきた。測定結果は来場者が混雑する時間帯や場所によっても微妙に異なってくるものだが、会場を歩きながらランダムに計測してみても、やはり下りで20Mbps~30Mbps前後のスピードは安定して出ていた。例えば行列の待ち時間の間にTwitterやFacebook、Webサイトからストレスなくイベントの最新情報をチェックする分には申し分のない速度感だと言えるだろう。

■ドコモ、2度目のコミケ出展では「dアニメストア」と「ラブライブ!」がコラボ

 NTTドコモは昨年冬の初出展に続いて、今年の夏もコミケの会場、西側ホールに「dアニメストア」のブースを構えた。dアニメストアはドコモが展開する“アニメ専門”の動画配信サービス。今年の7月にサービス開始から3年を迎え、会員登録者数が200万人を突破した。PCやモバイル端末のほか、今年発売されたHDMIアダプター「dTVターミナル」をテレビに接続すれば大画面でも楽しめる。約1,300作品/約23,000話のタイトルが、月額400円(税抜)で見放題で楽しめることから、アニメファンを中心に人気を集めている。なお「dアニメストア」はdocomo IDを取得すれば、ドコモ以外のキャリアを使っているユーザーでも視聴ができるサービスだ。

 今年の夏コミケでは人気アニメ「ラブライブ!」とコラボ。人気キャラクターを前面に掲げたブース正面のパネルが来場者の視線を釘付けにしていた。今年の会場ではコミケの来場者を応援するため、2つのキャンペーンを展開中だ。一つは「みんなファイトだよ!キャンペーン」。イベント最終日となる16日までの期間中に、TwitterやFacebookなどSNSで「一番元気をもらったアニメのシーンへの熱い思い」について、ハッシュタグ「#dアニメ」を付けてつぶやくと、dアニメストア公式SNSが拾ってくれるというもの。つぶやきを残したユーザーには抽選で「ラブライブ!」に関連した豪華プレゼントが贈られる。

 dアニメストアのブースを訪れた来場者を巻き込んだキャンペーンも実施している。事前にdアニメストアの会員に登録して、ブースを訪問すると、今回のイベントのために作られた「ラブライブ!」のオリジナルステッカーがもらえるというもの。来場前に事前予約が必要なので、詳細をドコモのサイトで確認してから足を運びたい。

 ほかにもNTTドコモでは「dアニメストア」の会員200万人突破を記念して、人気アニメ14作品とカラクリ装置、スマートフォンをシンクロさせたオリジナル映像作品「ファンタスティック・アニメ・マシーン」を制作。公式YouTubeアカウントで、コミケの開催初日に合わせて8月14日から公開している。同じムービーはdアニメストアのブース、正面のディスプレイでも視聴することができる。

 同社が出展するブースを担当したNTTドコモの宮原さおり氏によれば、昨年冬の初参加に続いて、人気アニメとのコラボが来場者から好評を博しているという。「dアニメストアではいつも新しいことに取り組んでいきたいと考えています。今回の出展も手作り感を出しながら取り組んできましたが、今後もぜひ続けられるよう成功させたいと考えています」とコメントした。

今年もやってきた夏コミケ!ドコモのネットワーク対策とは?アニメ「ラブライブ!」とコラボも

《山本 敦@RBB TODAY》

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