「黄色いシャツ」の実行犯か…バンコクの爆弾事件容疑者を逮捕

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黄色いシャツの男か バンコクの爆弾事件容疑者、カンボジア国境で逮捕
黄色いシャツの男か バンコクの爆弾事件容疑者、カンボジア国境で逮捕 全 7 枚 拡大写真

【タイ】タイ当局は1日、8月17日にバンコク都心で起きた爆弾事件の実行犯とみられる外国人の男をタイ東北部サケーオ県アランヤプラテートのカンボジア国境で逮捕したと発表した。バンコクのタイ陸軍基地に連行し、取り調べを進めている。

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 タイ警察が午後5時から行った緊急記者会見で、タイ警察のプラウット報道官は「重要な容疑者と確信している」と述べ、爆弾を仕掛けた実行犯の可能性が高いという見方を示した。

 17日の事件では、バンコク都心ラチャプラソン交差点で爆弾が爆発し、タイ人6人、中国人5人など20人が死亡、日本人男性1人を含む128人が重軽傷を負った。また、現場を走行中の自動車、バイク数十台が破損、一部が炎上した。

 現場周辺の防犯カメラには、眼鏡をかけ、黄色いTシャツ、短パン姿の男が爆発の数分前に、ラチャプラソン交差点にある観光名所「エラワンの祠」のベンチに爆弾が入ったとみられるバックパックを置き、歩き去る様子が映っていた。事件の前後に男を乗せたタクシー運転手らは、男が携帯電話でタイ語や英語ではない言葉で話していたと証言した。警察は19日にこの男の似顔絵を公開し、行方を捜査していた。

 今回逮捕されたのは、この黄色いシャツの男とみられている。

 事件翌日の18日には、バンコク都内を流れるチャオプラヤ川のサトン船着場の水路で爆弾が爆発した。高い水柱が上がり、周辺にいた人たちが走って逃げたが、水中で爆発が起きたため、けが人はなかった。この事件では、現場の防犯カメラの映像から、ラチャプラソン交差点の爆発から約20分後、青いTシャツを着た男が現場の水路にビニール袋のようなものを蹴り落としていたことが判明した。

 タイ警察はこの事件で、8月29日、バンコク都ノンジョーク区のアパートで外国人の男を逮捕し、爆弾の部品多数とトルコの偽造パスポート200冊以上を押収した。翌30日には都内ミンブリ区のアパートを捜索し、爆弾の部品を押収。翌31日、ミンブリのアパートの賃借契約者のタイ人女(26)と氏名国籍不明の男の逮捕状を取り、タイ南部パンガー県の女の実家を捜索した。女はトルコ人男性と結婚し、数カ月前からトルコに滞在しているもようだ。

 タイ警察はまた、1日までに、ノンジョーク区、ミンブリ区の所轄署幹部らバンコク首都警察の警官18人と、サケーオ県の入国管理事務所の警官6人を左遷処分にした。タイでの報道によると、サケーオ県の6人は逮捕された男から賄賂を受け取り入国させた疑いがあるという。

 一方、タイ警察のソムヨット長官は8月31日、爆弾事件の犯人逮捕につながる情報への懸賞金300万バーツを捜査に関わった警官に支払うと発表した。100万バーツは長官の自腹、200万バーツは実業家の友人が拠出するという。2014年の資産報告によると、ソムヨット長官の資産は3・6億バーツ(約12億円)に上る。

黄色いシャツの男か バンコクの爆弾事件容疑者、カンボジア国境で逮捕

《newsclip》

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