社債や株式発行を通じた資金調達、大幅減少の見込み…750億リンギに減少 マレーシア

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシアの首都クアラルンプール(イメージ)
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今年の社債や株式発行を通じた資金調達額は750億リンギ程度と、平均900億リンギだった過去数年間の実績を大きく下回る見通しだ。市況悪化を受けて複数の企業が資金調達計画を保留しているためだと、ザ・スターらが伝えた。

証券委員会(SC)のランジット・アジット・シン委員長が記者会見で明らかにしたところによると、750億リンギのうち700億リンギが社債発行を通じ、残りが新規株式公開(IPO)を通じての調達となる見込み。

ランジット委員長は、世界的に経済が不安定になっているとし、多くの新興市場が影響を受けているがマレーシアの資本市場では750億リンギの資金調達が見込まれているというのは良いサインであると指摘。国内外のいかなるマーケットも市場の不安定化に備える必要があると述べた。

その上で、マレーシア市場は回復力があり、多様性に富んだ金融システムが発展しているとの考えを示した。

通貨リンギは対米ドル市場で1米ドル=4.248リンギとなっており、前年同期比で17.7%下落している。また、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)の主要指数は1602ポイントで9%下落している。

RAMレーティングスは先ごろ発表したレポートの中で、今年私募債(PDS)の発行高が750億から850億リンギとなり、昨年の860億リンギからは減少するとの予想を示している。今年はサイム・ダービーなど複数の企業が新規株式公開(IPO)計画を延期するなど慎重な動きが広まっている。

千田真理子

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