【スーパーフォーミュラ 第5戦】29歳のバースデーレース、可夢偉は今季2度目の表彰台

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
決勝日朝、可夢偉の誕生日をチームスタッフたちが祝った。
決勝日朝、可夢偉の誕生日をチームスタッフたちが祝った。 全 8 枚 拡大写真

13日に決勝レースが行なわれたスーパーフォーミュラ(SF)第5戦、この日が29歳の誕生日だった小林可夢偉は3位に入り、今季2度目の表彰台を獲得した。

決勝日の朝、チームメイトの平川亮やチームスタッフ、レースクイーンたちから誕生日を祝ってもらった可夢偉は、今季最高2番グリッドから午後の決勝レースに臨んだ。そしてスタートではポールの石浦宏明をかわすが、3番グリッド発進だった中嶋一貴に先行され、2番手キープで1コーナーを回るかたちとなる。

今日の可夢偉にとって、スタートでアタマを取れなかったことは痛かった。というのも、可夢偉は朝のフリー走行での感触から「ペース的に(他の上位には)負けている」との冷静な状況判断を下し、「同じ作戦でいっても勝てないので」と、スタート時に燃料を減らして車体を軽くし、スタートダッシュにかける作戦を自らの進言で採っていたからだ。ピットストップでの給油時間が長くなるぶん、スタートの“奪首”が勝利の必須条件。陣営によれば10秒のリードをピットストップまでに築きたかったという。

惜しくも奪首ならなかった時点で勝利は厳しくなっていた上に、レース展開のなかで不運もあった。レース中盤にピットストップを行なった可夢偉は、フライングスタートによってドライブスルーペナルティを受けたA.ロッテラーの後ろに入ることとなり、ここで一貴と石浦との首位攻防からは遅れを取る格好になる。可夢偉の採った作戦はピット時期を選ぶ融通性が低いリスクを伴うため、状況のなかでこれは避け難い事態でもあったのだ。

ただ、それでも3位と結果をまとめてきた。可夢偉本人も、もちろん満足はしていないが「わるくないのかな、とは思います」。第2戦岡山でSF初表彰台の2位を得て以降、第3~4戦でも常にトップ3を争う位置にいながら、結果をまとめられていなかっただけに、今回3戦ぶり2度目の表彰台を得たことと、勝つための賭けを打つところまでいけたことは自信につながるはずだ。また、僚友の平川亮が4位に続くなど、KYGNUS SUNOCO Team LeMansとして今季ベストの内容の戦いができたことも追い風といえるだろう。

国内トップカテゴリーでは“新人”の可夢偉。次のスポーツランドSUGOも「12年ぶりだと思います」ということで、走行経験値自体が豊富とはいえないコースだ。だが、「前戦のもてぎと今回のオートポリスも似たような条件だったわけで、そこで今回表彰台を獲得できたことはポジティブにとらえていいですし、SUGOではしっかり(ペースのいい)クルマをつくって戦えれば、と思います」。

今季中の初優勝実現に向けて、チャンスは残り2大会3レース(最終戦鈴鹿は2レース制での実施)。期待感が増す、バースデーレースでの表彰台獲得であった。

次戦第6戦は10月17~18日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車内が即ネット空間に! 新型USB型Wi-Fiルーターがドライブを変える[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  3. 【スズキ ジクサー250 試乗】250ccでダントツにリーズナブル! この手軽さと奥深さはスズキ随一の仕上がりだ…伊丹孝裕
  4. 「発売はいつ?」ヤマハの新型スーパースポーツ『YZF-R9』、国内導入を待ち望む声続々
  5. 狭い道! 制限1.3m、通れる車がなくなった都市計画?…東京都世田谷区
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る