マレーシア政府系カザナ、67.7億リンギの国内投資を発表

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政府系投資会社カザナ・ナショナルはマレーシア経済を強化させるため、ナジブ・ラザク首相が発表した経済振興策の実施に伴い67億7,000万リンギの国内投資を実施すると発表した。投資の内訳は次の通り。

(1)ジョホール州デサル・コーストにおけるリゾート「デサル・コースト・デスティネーション・リゾート」開発、期間は2017-2022年、開発コストは約45億リンギをかける。

(2)資格を満たした観光産業起業家向けの新観光ベンチャーファンド、規模は5,000万リンギ。特にエコツーリズムと文化/遺産観光に注力する。

(3)IHHヘルスケアが経営する既存の病院の付属施設また新規の病院建設に2015-17年の期間6億7,000万リンギを投資する。予定地はジョホール州イスカンダル地域のメディニ、クアラルンプール、クラン、マラッカ、コタキナバル。

(4)入院治療及びリハビリを行う病院事業に向こう2年間でおよそ1億リンギを投資する。海外のパートナー企業との合弁プロジェクトとなり、世界的なベストプラクティスを採用して病院を運営する。

(5)「ダタラン・ミュージアム(博物館広場)」および「トゥグ・パーク」を開発する。非営利の開発で期間は2016-2020年。カザナは開発コストのうち7億3,000万リンギを負担する。

(6)クリエイティブ産業では5,000万リンギ規模の協同投資ファンド「ソネレーシア・キャピタル」を設立し、輸出市場向けのローカル・コンテンツのプロダクションを金銭面から支援する。2015年末以降、域内市場向けに映画などをリリースする予定。

(7)イスカンダル・マレーシアではカザナ・ナショナルの100%子会社、i2Mを設立してビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)セクターへの外国投資を2020年までに22億リンギ増やすという目標を達成するため、9,000万リンギの投資を誘致する。

(8)国内のイノベーション、テクノロジーセクターの葉店のために1億1,500万リンギを投じる。エンジェル投資家のマッチングやスタートアップ企業のブートキャンプ、ベンチャーキャピタルへの支援を情報技術(IT)セクター、非ITセクター向けに提供する。

(9)大学生向けの職業研修プログラム「スキム・ラティハン・1マレーシア(SL1M)」への参加者を1万人から1万5,000人に増やすため支援を行う。プログラムの年間コストはおよそ9,500万リンギ。

カザナは国際的な投資を支援するための審査や機会の査定を積極的に行う予定だ。また、中長期的にバランスの取れた投資戦略を実施するために投資の承認手続きを確実なものとする。特に国内の産業への波及効果が大きく雇用創出や国内での原料調達が容易な産業や外貨収入源となり、国民が積極的に関与できるような投資を増やす。観光産業やヘルスケア、医療観光、クリエイティブ産業やイノベーション、技術、BPOセクターへの投資に注力する。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月15日)

千田真理子

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