【官能カーオーディオ!】純正プレミアムオーディオ検証! スバル アウトバック「ハーマンカードン」の実力は

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
スバル レガシィ アウトバック リミテッド
スバル レガシィ アウトバック リミテッド 全 12 枚 拡大写真

“プレミアム”オーディオシステムの実力をテストしている。第2弾となる今回のターゲットは、スバル『レガシィ アウトバック』にメーカーオプションとして用意されている、「ハーマンカードンサウンドシステム」だ。その音質性能や、いかに。

◆ワイドディスパージョン中域スピーカーが核を握る

「乗用車の快適性、SUVの走破性、ステーションワゴンの積載性を併せ持つ」というスバル独自のクロスオーバーコンセプト。同コンセプトを具現化したスバルクロスオーバーモデルの最上位車種が、このレガシィ アウトバックだ。そして、その全車種にメーカーオプション設定されている“プレミアム”オーディオシステムが、この「ハーマンカードンサウンドシステム」である。

ちなみに、当システムの正確なオプション名は、「ハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション」。ナビ、パワーアンプDSP、スピーカー、さらにはリヤビューカメラ、オーディオリモートコントロールスイッチ、外部入力端子までが含まれている。この内容にして税込価格は30万2400円。ナビも含めてと考えるとリーズブルな印象を受けるのだが、いかがだろうか。

オーディオシステムとしての主な特長は2点ある。まずはその名のとおり、世界的な実力オーディオブランド“ハーマンカードン”のユニットが採用されていること。そしてもう1点はスピーカーレイアウト。車体の設計段階から配置を織り込みシステム構築されているとのことで、計12個のスピーカーが最適にレイアウトされている。

中でもダッシュボード中央に埋め込まれている「ワイドディスパージョン中域スピーカー」の存在がハイライトだ。これはいわゆる「5.1chシアターシステム」における“センタースピーカー”的なものなのだが、「5.1chシアターシステム」のために用意されているというよりも、2chのステレオ音源を鳴らす時に活躍するユニットである。

CDなどに収められている音源データは左右2chからなる“ステレオ音源”であり、“センターchデータ”は存在していないにも関わらず、「ハーマンカードンサウンドシステム」では、“センタースピーカー”も使いながら2chの“ステレオ音源”を鳴らすのだ。これがどのような効果を生むのか。実に気になるところだ。特にそこのところに着目しながら試聴テストを行ったのだが、そのリポートをお伝えする前に、“ハーマンカードン”とはどのようなブランドなのかを説明しておきたい。

◆歴史有るブランド『ハーマンカードン』とは

設立は1953年。アメリカ合衆国ニューヨーク州にて、オーディオの世界的権威であるシドニー・ハーマン博士により起こされた。以降、半世紀以上の長きにわたって、オーディオ業界のリーディングカンパニーとしてエポックメイキングな製品を数多く輩出してきた。なお、現在の“ハーマンカードン”は、米国harman international社のグループ企業の1つである。同グループには、JBL、AKG、マークレビンソン等々、そうそうたるオーディオメーカーが名を連ねている。そして、グループ内にはシームレスな開発環境があり、“ハーマンカードン”の製品開発にもそれが生かされているとのことだ。

◆想像以上の高レベル。どの席からでも音楽の楽しさを感じるシステム

そんな同社の誇るピュアサウンドを、レガシィの車室内空間で再現すべく特別に開発された「ハーマンカードンサウンドシステム」。実際のサウンドはどうだったのかと言うと…。

試聴ディスクをCDプレーヤーに飲み込ませ、音を出してまず感じたのは、「フォーカスの正しさ」だった。各楽器の位置関係がピンポイントでイメージできたのだ。しかも、ステージの奥行きもしっかりと感じられた。また、右から左に移動していく音の様子なども忠実に再現してみせた。正確な位置描写が実現できていたのは、まさに「ワイドディスパージョン中域スピーカー」の働きによるものだ。システム内のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)で演算処理が行われているのだろう。DSP内部で中央から聴こえる要素(信号)を取り出し、それをダッシュのセンターに埋め込んだ「ワイドディスパージョン中域スピーカー」に送り込み出力。このようにして2chシステムの中でセンタースピーカーを機能させていたのだ。そしてそれにより、センターフォーカスと正確な位置描写を表現していたのである(試しにセンタースピーカーを手で塞いでみたが、そうするとセンターフォーカスが失われた)。

さらに音を聴いて思ったのは、音色傾向がマイルドであること。長く聴いていても疲れない、耳に心地の良いサウンドだった。また、低域の良質さも印象的だった。量感があり、ほどよくタイト。サブウーファー自体はラゲッジスペースのサイドウォールに設定されているのだが、フロントの音としっかりとつながって正しく前方定位している(後ろから聴こえてくることがない)。フォーカスが正しいことと関係が深いのだが、各楽器の音がしっかりと分離されていることも特長だ。これによりそれぞれの楽器の響きを正しく感じ取ることができる。

総合的に評価して、オーディオとしてのレベルは相当に高い。手応えあるサウンドが堪能できた。「ハーマンカードンサウンドシステム」。これは紛れもなく“プレミアム”なオーディオシステムである。2chの音源をセンタースピーカーを用いて再生するのは“反則”と言えなくもないが、結果がいいのだから文句のつけようがない。価格に対する満足度は非常に高い。

《藤澤純一@Mycar-life》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産がエルグランドなど新型4車種投入へ…NISSAN START AGAIN
  2. その“黄色い枠”も隠せます! 必見のナンバーフレーム最新アイテム5選[特選カーアクセサリー名鑑]
  3. CATL、世界初の量産ナトリウムイオン電池発表…マイナス40度でも90%の電力キープ
  4. ショッピングセンターに320台の名車・旧車が大集結…第5回昭和平成オールドカー展示会
  5. 「戻せばOK」は通用しない! 現代チューニングの合法ルールとは~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  2. AI家電を車内に搭載!? 日本導入予定の新型EV『PV5』が大胆なコンセプトカーに
  3. EVシフトの大減速、COP消滅の危機…2024年を振り返りこの先を考える 【池田直渡の着眼大局】
  4. “走る巨大バッテリー”の実力! BEV+家電は悪天候でも快適に遊べる組み合わせだった
  5. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
ランキングをもっと見る