ボルボ V60 ディーゼルで東京-鹿児島を無給油チャレンジ…1326kmを走破できるか

エコカー 燃費
ボルボ V60 ディーゼルで東京-鹿児島を無給油チャレンジ
ボルボ V60 ディーゼルで東京-鹿児島を無給油チャレンジ 全 9 枚 拡大写真

ボルボの『V60』、『S60』に積まれたディーゼル「D4エンジン」は、20.2km/リットル~20.9km/リットルという良好なJC08モード燃費を誇るクルマとして注目を浴びている。

ボディ形状に関わらず、燃料タンク容量は67リットルが搭載される。ということは、1リットルあたり20km走るとしても単純計算で1340kmの航続距離があることになる。

そうしたスペックを元に、ボルボ・カー・ジャパンはチャレンジングなメディア向けイベントを開催。その内容とは「東京から鹿児島までエコランして無給油で走り切っちゃいましょう。賞品は秘密、後日表彰式兼の食事会やりますよ」というもの。

どうやら事前情報によると、往路5チーム、復路5チームの計10チームで燃費を競うとのこと。さすがに鹿児島まで1日で走るのはつらいし危険とのことで、初日は広島までの777km、2日目が広島から鹿児島まで549km程度という行程が予定された。「777+549=1326kmって、JC08燃費で走ってギリギリじゃん…無事に走破できるのかな…」という一抹の不安は残るものの、我々はワクワクしながら参加に手を挙げた。

朝7時に東京芝公園のボルボ・カー・ジャパン本社前に集合し、清々しい初秋の空気が気持ち良いなかで始まった今回のイベント。まずはジャンケンでクルマを選ぶ。というのも、用意されたクルマは、セダンのS60が2台、ワゴンのV60が3台。セダン、ワゴンともに1台ずつ「Rデザイン」があり、タイヤの銘柄などを含めると同仕様のクルマは存在していない。

レスポンスチームはじゃんけんの結果、2番手の順位でクルマを選ぶ権利を得た。我々が選んだのは「V60 D4 SE」(ミシュランタイヤ装着車)。ワゴンにしたのは、JC08モード燃費がセダンに比べて0.7リットル悪いため、走行後に補正のため使用燃料に対して2.2リットルの燃料減が行われるというレギュレーションだったから。JC08モード走行と違い、高速巡航がメインとなる今回の走行ではセダンとワゴンの差は少ないだろうと考え、燃料減のアドバンテージが得られるワゴンが有利と判断した。

◆800kmのロングランでも疲れ知らず

さて出発時間となった。まずは首都高に乗って東名高速を目指すことになるが、どの入口で首都高に乗ればもっとも効率がいいのかが分からない。だったら訊くしかないということで広報部員に訊いたところ「そこの芝公園から乗って、ちょこっと環状線走って3号線で行けばいいですよ」とのアドバイスを受けて首都高に乗ったらなんと逆方向。そうかあ、芝公園は入口が2か所あるんだ…ということに気づいたときにはすでに汐留を通過…。会社線の途中で降りて逆方向に乗り直すハメになるという、波瀾万丈のスタートとなった。

燃費を向上させる作戦としては、最高速は当たり前だが100km/hまで。ACCは定常走行時のみに使用し、加速はできる限りゆっくり。ただし、周囲の交通の流れを妨げないようにする。初日は12時間、2日目は9時間がタイムリミットに設定された。あとは、空気抵抗を受けないように窓も開けず、エアコンも使わずに、だ。

V60は思った以上にロングランに適したクルマだった。初日の試乗では3回程度トイレ休憩をしたものの基本的にはドーンと一気に800km弱を走行した。ロングランをしてみるとまずシートのよさがわかる。V60は800km弱を走っても腰がむずむずするようなことは一切なかった。私の腰はかなり敏感で、シートのホールド性が悪く、体圧分散が上手に行われていないとすぐに痛くなるのだが、このV60についてはそうした現象が起きなかった。またアクセルペダルもつり下げタイプながら、ふくらはぎに負担が掛からずオルガン式並みの楽さを感じられた。

高速走行で大きく走りをサポートしてくれたのが、「LKA(レーン・キーピング・エイド)」と呼ばれる車線逸脱防止装置。走行している車線をはずれそうになると、警告と補正をしてくれる。疲れが溜まる長距離走行ではこれはうれしい装備。しかし、ちょっと気を抜くと「ふらつき警告」が出てしまう。この警告はもう少し反応が悪くてもいいと思う、頻繁に警告が出ると装置をオフにしたくなるからだ。

◆1326kmを走破して燃費は26.0km/リットル

さて、燃費走行に話を持っていこう。V60 D4でもっとも燃費が稼げるのは「ECO+モード」という走行モードだ。ミッションのシフトポイントも早まり、惰性走行(空走)であるエココーストも使える。ただ、一度エンジンを停止すると「ECO+モード」はオフになってしまうので、休憩時からの再スタートでは「ECO+モード」のスイッチを再度押してやる必要がある。また、「ECO+モード」ではエアコンがいったんオフになるので、エアコンを使っての走行を前提にしているなら、「ECO+モード」のスイッチを押したあと、ふたたびエアコンをオンにする必要がある。

加速時はアクセルペダルをにじるようにゆっくり踏み込みながら操作し、減速時はできる限り手前からアクセルペダルから足を離し、エココーストをできるだけだけ使うようにした。速度を上げないことを前提にしていたのでエココーストに入ってもすぐに65km/hまで速度が落ちてしまう。80km/hまで加速してエココーストを使うより、100km/hまで加速してエココーストを使ったほうが燃費がいいかもしれないという印象。オーナーならこれらは試してみる価値はありそうだ。

高速走行が基本なので空力もかなり大切。なのでエアコンを切ったからと言っても、ウインドウを全開にして走ったのでは燃費は落ち込んでしまう。ちょっと暑くてつらいときは、手動でエアコンをこまめにオン-オフしながら走った。1日目は時間的余裕を持ってチェックポイントに到着したのだが、2日目はちょっと距離を伸ばして燃費を稼ごうとした結果、ギリギリの時間でゴール。どうにか時間超過のペナルティは免れた。

そして結果。ガソリンの量を補正したうえで残念ながらの4位。燃費は26.0km/リットルとJC08モードを凌ぐものであった。優勝したのは「ホリデーオート」チームで27.8km/リットルの燃費を記録した。復路での優勝は「DRIVER」チームで燃費は25.8km/リットルだった。じつは往路も復路も優勝したのは同じクルマ。それが原因かどうかは定かではないが、5台中このクルマだけが横浜ゴムのアドバン・デシベルを装着していた。

《諸星陽一》

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