【注目軽&コンパクト】e燃費TOP10から選出、低燃費と走りを両立したクルマは?

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注目軽&コンパクト、e燃費TOP10から選出、低燃費と走りを両立したクルマは?
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登録車並みの安全装備や燃費性能、また限られたサイズの中で高いユーテリティを発揮するなど軽自動車のメリットは大きい。一方、登録車との大きな違いが法律上、乗車定員が4名までということ。普段使いであれば問題はないが、いざという時5名乗車できる登録車の魅力も無視できない。

そこで今回は年間約100万回の給油投稿がある燃費管理サービス「e燃費」の数値をもとに、軽自動車&コンパクトカーの主要注目モデルを取り上げランキング。各TOP10の中から軽自動車と登録車(コンパクトカー)4台をピックアップし長距離走行を行った。試乗したのはスズキ『スペーシア』、ホンダ『N-WGN』、トヨタ『アクア』、マツダ『デミオ』の4台。一般道、高速道、ワインディングを合わせ約300kmを走ることで、走りとエコ性能の両面からそれぞれの実力をチェックしてみることにした。

◆高速道路のハンドリングを比較

車のガソリン(デミオは軽油)を満タンにしてスタート、高速道に乗ってみる。まずスペーシアだが、そもそも1735mmという全高からフロントウインドウも含めた前面投影面積はいやでも広くなる。要は空気抵抗も大きくなるわけなので車重も含め、追い越しのシーンは不利になるのはやむを得ないし、横風にも弱い。しかしエンジンを始め外部からの音の入り方はマイルドで快適だ。次にN-WGNだが、このNAエンジンは思った以上にパワフルな印象を持つ。スペーシアとの重量差はわずか30kgなのだが空力面でも有利、またレーンチェンジ時の車両挙動もシャキッとしておりクルージング性能はかなり高い。また静粛性に関しても追い越し時には少し唸るようなエンジン音も聞こえてくるがホンダは全体的に耳障りな周波数帯をコントロールするのが上手い。高速走行が多いのならばターボモデルが欲しくなるが、燃費の数値的には不利となる。2名乗車までであればNAでも良いだろう。

一方のコンパクトカー、まずはデミオだがこちらは4車中唯一のターボ付き、さらに低速域から十分なトルクを発生するクリーンディーゼルだ。しっかりとしたシート&ペダルポジションは現在のマツダ車の得意技と言えるもの。どの速度域からでもアクセルを軽く踏み込むだけで希望の速度へ加速できる気持ち良さや高速安定性が魅力だ。しいて言うのであれば走りが楽しいゆえについアクセルを踏んでしまい燃費が一定以上伸びないことだろうか。誤解の無いように言っておくとデミオ自体の燃費性能は高い。

しかしもう一方のコンパクトカー、アクアはハイブリッドカーとしての能力を使い切ることで燃費をさらにアップできる利点がある。2011年の発売からかなりの時間が経っていても販売は好調。特に2014年12月のマイナーチェンジでボディ剛性や空力性能を向上させている。特にボディ剛性は乗り味に顕著に利いており、直進安定性や路面からの突き上げ感もかなり減少して快適性も向上した。元々空力自慢のボディも相まって、クルージング時の燃費も驚くほど優れている。高速走行時の性能はかなり進化したとはいえ、やはりアクアなどの登録車と軽自動車にはまだ“それなり”の差というものは感じてしまうのである。

◆EVモードは生活に根付いた便利機能

軽自動車の使われ方の多くは日々の生活の足としての市街地走行が多く、小回り性能に関しては有利だ。今回の4車にはすべてアイドリングストップ機構が装着されているが、ストップ&ゴーの多い市街地では軽自動車もその実力を見せてくれる。各車とも燃費性能を向上させるためのいわゆる“飛び道具”を搭載しているが、特にスペーシアのSエネチャージは発進時のアシストやアクセルオフ時のエネルギー回生能力に優れる。デミオにもi-ELOOPという機能があるが、残念ながらこちらはオプション、実際の販売でも装着率はあまり高くないと聞く。できればこの手の機能は全グレード標準装備が望ましい。

逆にアクアはハイブリッドなので特にその部分は意識せず走れる点がいい。ちょっとハイブリッド用バッテリーの容量が足りないな、と思ったらアクセルオフを早めに行い、フットブレーキもしっかり踏むことで回生量も増える。何よりもアクアには「EVモード」という武器がある。明け方や深夜など周辺に気を使いながら出庫しなければならない時はこれがかなり役立つ。これがあるからハイブリッドを選ぶというケースも多いだろう。

◆ワインディングではコンパクトカーの圧勝

ワインディングではターボを装着するデミオのフットワークの良さが際立つ。トルクの太さだけでなく、ダイレクトな6速AT、さらにパドルシフトによる操作も走りにこだわったマツダ車ならではである。アクアは元々全高が低くスポーティなフォルムを持つわけだが、高速道路でも感じた車両全体の改良はワインディングでも十分活かされている。強いて言うならパワステのフィーリングの人工的な部分がもう少し改良されるといいだろう。

軽自動車2台はNAということもあり、登坂能力や燃費面、さらに音の部分でどうしても不利になりがちだ。それでもN-WGNのロードホールディング性能は結構高く、スポーティな気分も味わえた。

軽自動車は確かな進化によりファーストカーとしての実力を身に付けつつある。しかしクルマの使われ方は人それぞれ。プラスαの余裕が欲しければコンパクトカーという選択は捨てきれない。

《高山 正寛》

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