イケア、SAABなどを顧客に持つスウェーデンのセキュリティ大手とキヤノンが提携

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駐日大使であるマグヌス・ローバック氏
駐日大使であるマグヌス・ローバック氏 全 7 枚 拡大写真

キヤノンITソリューションズ株式会社(キヤノンITS)は10月6日、都内スウェーデン大使館で記者発表会を開催、スウェーデンのClavister AB社と販売代理店契約を締結したと発表した。第1弾として、日本市場のニーズを取り入れた次世代ファイアウォール製品の販売を11月上旬より開始する。発表に先立ち、同館の駐日大使であるマグヌス・ローバック氏は前日のノーベル賞の発表に触れ、「日本とスウェーデンは科学技術をはじめとする長い交流の歴史があり、日本人のノーベル賞受賞をホスト国としても非常に喜ばしく思っている。今日も、Clavister社とキヤノンITSのパートナーシップという非常に重要な発表がある。両社ともクレバーな会社であるため、今後のインターネットセキュリティに大いに貢献することと期待している」と述べた。

キヤノンITSのセキュリティソリューション事業部長である近藤伸也氏は、キヤノンITSを「キヤノンが100%出資するSE集団であり、SI、ITサービス、エンベデッド、プロダクトの4つを担当し、企画、営業、研究開発、サポートをワンストップで提供できる会社」であるとし、セキュリティソリューション事業では、製品を自社で開発するほか、海外製品は日本市場に合わせてローカライズし、国内製品は知見に基づく付加価値をつけて提供する、特にコンシューマからエンタープライズまで対応する充実したサポート体制が特長であるとした。これらによりUTMの出荷台数の伸び率は国内全体よりも高いという。

続いて、Clavister社のCEOであるジム・カールソン氏がClavister社について説明した。1997年に設立された同社はネットワークセキュリティにフォーカスしており、グローバルに展開、25.000社の導入実績と185,000のインストール実績があるという。またグローバルのサイバーセキュリティ市場は急拡大しており、2020年には1,700万ドル規模になると予測されており、その背景にはハッキングや情報漏えい事件がある。日本でも2013年は128億件のサイバー攻撃を受けた。「セキュリティは破られる」とFBIのデヴィッド・トーマス氏が言っているが、そうした状況の中でClavisterはEU諸国に最高レベルのセキュリティ対策を提供しているとした。

またカールソン氏はClavister製品の特長として、「バックドアがないこと」と「政府や政治団体との関係がないこと」「自社で一から独自開発、実装していること」「非常に高性能であること」「ソフトウェア中心でベンダロックがないこと」「他社製品と比較して25倍以上のコスト効率」「フットプリントが小さいためIoT機器にも有効であること」など挙げ、スウェーデンではイケアやエリクソン、Skype、SAABなど多くの企業が採用しているとした。さらに、日本は重要な市場であり、大手SIであり戦略も合致するキヤノンITSと組むことで広く展開していきたいと述べた。

キヤノンITSのセキュリティソリューション事業部の営業部長である崎山秀文氏は、新製品と今後のビジネス展開について説明した。崎山氏はキヤノンITSの特長として「メーカーであり販社でありSIerであり、ソリューション提案やサービス提供も行い、日本のセキュリティソリューション市場を熟知している」ことを挙げた。さらにClavisterの特長として「LinuxやOSSを使用しない完全独自開発」を挙げ、これによりフットプリント11MBという軽量さ、不要なプロセス処理がないことによる高速性、脆弱性の少ない堅牢性といったメリットがあるとした。

また、アプライアンス、仮想アプライアンス、UTMファームウェアのOEM供給と、3つの供給形態があることを説明、これを活かし、キヤノンITSでは今後「IoTへの組み込み提案」「仮想製品・OEM販売」「アプライアンス製品の販売」で展開していくとした。さらにアプライアンス製品として「Clavister E80」を紹介した。同製品はアンチウイルス、アンチスパム、ファイアウォール、IDP、Webコンテンツフィルター、アプリケーション制御、IPSec VPN、SSL VPNを搭載するUTMで、11月より販売予定。参考価格としてUTMライセンス1年付属版が210,000円、5年付属版が420,000円(ともに税別)を示した。

Clavister社と提携、UTMアプライアンスやIoT対応など多彩に展開予定(キヤノンITS、Clavister)

《吉澤 亨史》

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