車載ナビゲーション・ソフトウェアのグローバルベンダーであるNNG(本社:ハンガリー/ブダペスト)は19日、クルマとITの親和性を高めた次世代ナビのインフォテイメント プラットフォーム『NaviFusion Platform』を発表した。
この新プラットフォームは、車載グレードの信頼性とスマートフォンが持つパーソナライズ性、そしてコネクティビティの独立性を備えたインフォテイメント・プラットフォーム。OEM先ごとに合わせたカスタマイズが可能で、あらゆる自動車メーカーが進めるブランド戦略に応じた展開が可能となる。
NNGはこのプラットフォームを「クルマと生活を統合する総合的なアプローチ」をもたらすものと位置付け、これはドライバー支援に有効であるだけでなく、取得したビッグデータのコントロールと所有を自動車メーカーの手に置くことができるメリットを強調した。
NNGはこのプラットフォームを採用することでもたらされる以下の具体例を挙げた。
一つは「円滑かつ頻繁に行われる地図更新」だ。クラウドと通信でつながることで、サーバーにある地図データとの差分を常時チェック。違いがあれば速やかに差分データをダウンロードし地図情報の更新を行う。
クラウドを使った対話形式の音声認識「NNGアシスタント」も具体例の一つ。日本語の会話型音声検索に対応するiNAGO社の「netpeple assistant platform」と連携により実現するもので、自然言語によるスムーズな目的地検索を最大のウリとする。
ディスプレイオーディオとの連携では、Abalta社が開発した「WEBLINK」が有効になる。従来、ディスプレイオーディオの多くはGPSなどをスマートフォン側に頼っていたが、WEBLINKでは車両側とCANで結ばれることで、GPSや車速パルスなどの情報を車両側から取得。より高精度な情報の下でコントロールされる。
また、先進運転支援システム(ADAS)に欠かせないプロトコル「ADAS-IS」にも、安全運転のために統合されたシステムとして対応可能になる。つまり、最先端のIT機器が持つ新たなユーザー・エクスペリエンスへの対応が可能になるというわけだ。
この日の発表会では、日本市場を含め、グローバルで今後展開する技術を展示。それぞれデモを行った。NNGは自動車メーカーやカーナビメーカー各社に同社が取り組んでいる技術を積極的にアピールしていく考えだ。
この日、挨拶に立ったNNG 取締役会長 ヤコブ・ハルペリン氏は、「NNGは現在30以上の異なるブランドで展開されているが、基本は一つのナビコアで展開されている。高度な圧縮技術はもともとゲームの世界で蓄積されたもので、それがインターフェイスを含め、数々の受賞につながった。我が社は日本を重要市場の一つであると考えており、日本向けに約60名の人員を配置したところだ。新プラットフォームの発表を踏まえ日本市場に対して今後も積極的な投資を続けていく」と述べた。