やさしい操作…マイナンバーに完全対応した「弥生」新バージョン

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弥生 マーケティング本部 マーケティング部 ビジネス戦略チーム 担当マネージャー 菊池龍信氏
弥生 マーケティング本部 マーケティング部 ビジネス戦略チーム 担当マネージャー 菊池龍信氏 全 16 枚 拡大写真

 中小企業向けの業務ソフト、申告ソフト分野で売上トップを誇る「弥生シリーズ」。同パッケージのマイナンバー制度への対応を見ていこう。この10月30日に一斉に発売する最新バージョンの「弥生16シリーズ」給与製品(「弥生給与16」「やよいの給与計算16」)【写真1】【写真2】において、すでにマイナンバーへの対応が発表された。

【画像全16枚】

 本パッケージでは、新たに「スタートガイド」と「マイナンバーナビ」が用意され、その中で、マイナンバーの保管から廃棄・削除の管理、システムログの記録・参照・出力、データ暗号化やアクセス権限管理などの技術的な安全管理措置に対応している。

 ここでは新機能のイメージをつかむために、マイナンバーの初動をサポートする「マイナンバーナビ」について簡単に紹介しよう。以下のようなアシスト画面が追加されている。

【1】マインナンバー取り扱い担当者の設定
【2】従業員や家族の番号登録
【3】事業者番号登録の設定作業

 では、その手順を追ってみよう。

【1】マインナンバー取り扱い担当者の設定
 新バージョンの弥生給与16を起動すると、最初に「マイナンバースタートガイド」が現れる【写真3】。ここで制度の概要を理解し、次に進んでいくと「マイナンバーナビ」という画面が出る【写真4】。ここでマイナンバーを運用する際に設定すべき必要な手順が表示される。

 まずは「マインナンバー取り扱い担当者の設定」を行う。ボタンを押すとウィザードが起動する。「法令で、なぜ取り扱い担当者を設定しなければいけないのか?」という解説がなされるので、これを読んで次に進む。ここで、マイナンバー取り扱い担当者の登録画面が現れたら、たとえば管理者などをユーザー名として入力する【写真5】。

 次はパスワードの設定だ。最新バージョンでは、パスワードは文字数が8文字以上、英数字、記号のうち、3種類の組み合わせで設定する仕様になっている。この入力条件にマッチするとボックスが灰色から緑色に変わる。条件を確認しながら登録できるように配慮されている。

 さらにマイナンバーを操作するための権限設定を行う。この説明では、管理者がマイナンバーを取り扱う権限を付与するという前提で進めているため、デフォルト(「私が個人番号関係事務の取り扱い担当者です」)にチェックが入ったまま次に進めば、すべての設定が終了する。

 登録ユーザーの状況は「ユーザー設定画面」で確認することが可能だ【写真6】。ここでは「ユーザーを管理する権限」「給与業務全般を管理する権限」「マイナンバーの取り扱いをする権限」のいずれも印が入り、権限が付与されていることを確認できるはずだ。

 担当者には、マイナンバーの取り扱いをせず、給与業務のみを行う者もいるだろう。その場合は画面からユーザーを追加し、「給与業務全般を管理する権限」のみを与える。また会計事務所が年末調整を行うシナリオもあるだろう。その場合には、士業者ユーザーも登録し、「マイナンバーの取り扱い権限」を付与しておく。ここも前述のパスワード設定条件に合致させる必要がある。士業者にデータを渡す際は、このユーザー名とパスワードを伝えておけば、問題なく使えるだろう。

 「弥生給与16」「やよいの給与計算16」はパッケージであるため、基本的にデータはロカールPCに保存される。ただしデータをクラウドに置きたいユーザーには「弥生ドライブ」の活用も可能だ(弥生シリーズのあんしん保守サポート加入時)【写真7】。年末調整業務を会計事務所に任せる際に、事業者と会計事務所の間でマイナンバーを安全にやりとりできる。弥生ドライブは、さらに年内に安全管理措置が強化される予定だという。

【2】従業員や家族の番号登録
 ここからは、従業員と家族のマイナンバーを収集して登録する作業だ。番号の収集方法には、従業員の手元に届いた通知カード(またはマイナンバー入りの住民票の写し)と、本人確認のための証明書(免許証、パスポートなど)を持参、あるいは郵送してもらうなど、いろいろな方法があるだろう。

 本人確認が行える証明書で身元を確認したら、「番号通知カード」(家族も含む)に記載されたマイナンバーを入力していく。なお家族に関しての身元確認は、従業員が事前に行うため、特に証明書は必要はない。

 あらかじめ従業員の基本データが入った登録画面から名前をクリックすると、マイナンバーの入力画面が現れる【写真8】。ここで従業員とその家族の名前、続柄、マイナンバーを入力していけばよい。入力チェック機能がついているため、12桁の番号を間違えるとエラーが表示される。ちなみにマイナンバー管理画面では、セキュリティの観点から、むやみに番号を露出しないように、番号を表示しない仕組みだ。あくまでマイナンバーの登録ステータスが表示されるだけだ。

【3】事業者番号登録の設定作業
 個人番号の登録が終わったら、事業者番号も登録していく【写真9】。こちらは12桁のマイナンバーと異なり、13桁の事業者番号がチェックされる。また個人事業主の場合には事業者番号が付番されないため、個人事業主のマイナンバーを登録していく。

 マイナンバーを保管した後は、取扱いをしっかり記録・保管し、閲覧できる状態にしておくことがガイドラインで求められている。それを実現する管理機能もある【写真10】。画面をクリックすると、従業員のマイナンバーを登録したログなどが、すべて表示される。ファイルメニューから、CSVでエクスポートすることができるため、印刷して紙で状況を管理することも可能だ。当然ながら紙出力の際には、マイナンバーは表示されない設定にできるので、安心して管理できる。

■小規模事業者の“駆け込み寺”的なサービスを展開
 ここまでが最新バージョンの「弥生給与16」「やよいの給与計算16」に追加されたマイナンバー対応の機能だ。しかし、暗号化やアクセス制御といった機能は、他社パッケージにも盛り込まれている。「実は弥生シリーズの本当の強みは、パッケージだけにあるのではありません」と強調するのは、同社の菊池龍信氏【写真11】だ。

 弥生は、ソフトウェアとサポート・サービスの両面から、しっかりとマイナンバー対策の支援をしていくことを表明している。特に、このサポート・サービスが差別化の大きなポイントになるそうだ。

 「我々のお客様は小規模事業者よりも、さらに小さな事業会社が多いのですが、この層ではマイナンバー対応が本当に厳しいという調査結果が出ています。10名以下の事業者は、5万円も出せないのが実情です。しかし市販のマイナンバー製品やサービスは桁が違って全く話になりません。コンサルタントもお金かかりますから、雇うことは難しいでしょう」(菊池氏)。

 このような状況のなかで、弥生のマイナンバー対応製品に対する姿勢は、とにかく可能な限りお金をかけずに済むような、小規模事業者の“駆け込み寺”的なイメージなのだ。実際に同社のパッケージ製品は上限30名まで、あるいは100名前後の企業が対象だ。

 「一般的に事業規模30名以上の企業では6~7割が給与ソフトを導入しています。ちょうど30名ぐらいの企業が給与ソフトをお使いになる境目になります。ソフトを入れるか、あるいは導入しないで頑張るか、外部に委託するか迷うところです。しかし今回のマイナンバー制度では、家族経営の個人事業主も対象になっていますから、そのような方々にも対応していく必要があります」(菊池氏)。

 マイナンバーや給与情報の管理には、クラウドサービスという選択肢もある。ただし中小企業、あるいはそれより小さな事業主では、外部に情報を預けるのに抵抗感があるユーザーもまだ多い。逆に300名以上では、業務効率化のために外に出す傾向がある。

 菊池氏は「我々は、ローカルで管理したいお客様に安全なパッケージを提案していきます。もちろんソフトウェアだけでなく、サービスでの充実がポイントです。基本的な部分で気軽に相談ができる電話サービスは、他社にないものだと思います」と語る。

 同社では、ユーザー向けにマイナンバー相談を含む4つのサービスを開始し、小規模事業者の悩みを解決しているところだ【写真12】【写真13】。たとえば「マイナンバー規定集ダウンロード」「マイナンバー社員教育セミナー動画」「マイナンバー導入支援先紹介サービス」も用意。

 いきなり小さな事業者が規定集を策定することは難しい。そこでマイナンバー規定集ダウンロードによって、基本方針から、取扱い規定、委託契約書のテンプレートなどを活用できるようにした。こちらは、すでに延べ10万ダウンロードに達しているそうだ。

 「他社でもテンプレートが提供されていますが、弊社では中小企業の皆様が“これをやって下さい”というように、タスクレベルで段階的に動けるアウトプットまで用意している点が特徴です。専門知識がなくても自分たちで完結できるように工夫が凝らされているわけです」(菊池氏)【写真14】。

 またマインナンバーの基本知識から、収集方法など実践的な目線での動画も配信中だ。「原則的に100名以下のお客様を対象としたコンテンツを用意しています。我々のお客様向けに、概要編と実務編を公開しています」(菊池氏)【写真15】。

 一方、「マイナンバー導入支援先紹介サービス」については、ユーザーに士業者を紹介するものだ。「できるだけお金を極力かけずに自分で処理できればよいのですが、時間も知識もなく、人手が足りない場合もあります。そういう事業者に対して、コンサルタントも可能な士業者をご紹介しています。こちらは基本コンサルタント料を割引いて、安くご提供するものです」(菊池氏)。

 このように弥生は、中小企業はもちろん、より小さな個人事業主まで含めて、幅広くマイナンバー対策に対応できるように今後も支援を続けていくという。

【マイナンバーソリューション解説】弥生16シリーズ

《井上猛雄》

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