【東京モーターショー15】スマート vs トゥインゴ…RR兄弟車、戦略の違いは

自動車 ニューモデル モーターショー
ルノー トゥインゴ(東京モーターショー15)
ルノー トゥインゴ(東京モーターショー15) 全 8 枚 拡大写真

メーカーの垣根を超えた兄弟モデル対決が東京モーターショー会場で繰り広げられている。ダイムラーのスマート『フォーフォー』とルノー『トゥインゴ』だ。

リアエンジン・リアドライブのプラットフォームなどの基本部分を共有しつつ、内外装のデザインはそれぞれ独自のものが与えられているほか、日本向けはエンジンのバージョンも異なるといった差別化が図られている。スマートのほうは東京モーターショー報道日初日の10月28日に市販が開始されたが、トゥインゴのほうは現時点では参考出品車。投入時期は2016年春であるという。

会場で両者をあらためて見比べてみると、兄弟車ではあるが、キャラクター分けはかなり明確だ。スマートのほうは初代から継承するカラーリング、すなわちキャビンの枠部分を車体色と別の色とし、サイズは小さくとも生存空間をきっちり守るというコンセプトを表現したもの。ヘッドランプ、フロントグリル、リアランプなど細部のデザインもどことなくドイツっぽい。

一方のトゥインゴのほうは柔和路線だ。フロントのイメージは1993年に日本車として初めて欧州カーオブザイヤーの大賞を獲得した日産自動車『マイクラ(日本名マーチ)』の2代目モデルを想起させる新古典主義的な意匠。リアは一転、バックドア全体がガラスに覆われたモダンなブラックアウトデザイン。全体としては帽子のようにころりとした可愛いイメージで、ルーフもキャンバストップが用意されるなど、ルノー本来のキャラクターであるサンダル感覚で転がせるような仕立てとなっている。

スマートフォーフォーの価格は209万円から229万円と、欧州Aセグメント(ミニカー)モデルとしてはかなり高価だが、トゥインゴはどうなるのだろうか。ルノージャポン商品担当のフレデリック・ブレン氏は「ルノーは日本においてもすでに価格の安いモデルもラインナップしている。またフィアット『500』など強力なコンペティターも存在している。それを勘案したうえで、エントリーモデルとして魅力を感じていただけるような戦略価格を設定しようと考えています」と語る。

モーターショー会場に置かれているのは最高出力90psの3気筒0.9リットルターボ+6速デュアルクラッチ変速機の組み合わせのみだが、本国には3気筒1リットル自然吸気エンジン、変速機も5速MT仕様が存在している。デビュー当初のグレード構成は不明だが、ルノーが日本にも積極投入しているMTを含め、面白い商品展開が期待できそうだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る