【東京モーターショー15】スズキ イグニス、石渡チーフエンジニア「デザインは過去のいいとこ取り」

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『イグニス』の開発に携わったチーフエンジニアの石渡雅之氏
『イグニス』の開発に携わったチーフエンジニアの石渡雅之氏 全 12 枚 拡大写真

東京モーターショー15でスズキからワールドプレミアされたのが「小型車の新ジャンルに挑戦」したコンパクトクロスオーバーモデル『イグニス』だ。

ジュネーブモーターショー15で欧州向けに公開されたコンセプトカー『iM-4』の市販版。開発に携わったチーフエンジニアの石渡雅之氏に話を聞いた。

----:『イグニス』の開発における、基本コンセプトとは?

石渡チーフエンジニア(以下敬称略):『ハスラー』とよく比較されるが、必ずしもアクティブさだけを強調しているわけではない。フォーマルなシーンでも十分使える、オンオフいずれでも使えることが開発のテーマだ。

----:デザインはリアのCピラー付近が『アルト』にも似ているようだが。

石渡:そのように言われることが多いが、実は過去にスズキにあったクルマのデザインをモチーフにしている。例えば、フロントフードとサイドに見えるガーニッシュは初代『エスクード』、Cピラーに入っている3つのスリットは『フロンテクーペ』で採用されていたもの。“これいいなぁ”というものを少しずつ入れながら現代風にアレンジした。

----:車名のイグニスは初めての採用?

石渡:初めてではない。初代『スイフト』の欧州向け仕様にこの車名を使っていた。

----:ボディサイズはスイフトより大きいか?

石渡:ボディ寸法は全長3700×全幅1660×全高1595mmで、そのサイズはスイフト比で高さだけ若干大きくなっている。

----:ターゲットにしているユーザー層は?

石渡:ヤングファミリー層は当然だが、子育てが終わった世代や、趣味のためにアクティブにでかける個性的な夫婦も対象にしている。でかける先が多少の悪路や雪道でも十分な走破性を確保するために、車高も高めに設定した。日常シーンで便利に使えるだけでなく、週末になればアウトドア活動でも楽しむことができ、さらに雪道や荒れた道でも安心して走れる。そのために4WDも用意した。

----:エンジンはハイブリッドとなっているがその詳細は。

石渡:基本的には弊社の軽乗用車に搭載している「S-エネチャージ」を採用した1.2リットル直列4気筒「デュアルジェット」エンジン。マイルドハイブリッドのカテゴリーだが、小型車クラスではこれを“ハイブリッド”と呼ぶことにした。ソリオではEV走行ができる“フルハイブリッド”も出展しているが、オルタネーターを使うものの、モーターでアシストできるということで“ハイブリッド”としている。燃費向上はもちろんだが、モーターアシストによる加速向上も狙っている。

----:販売はグローバルで行われるのか?

石渡:撤退をしている北米を除く全地域を対象としている。搭載するトランスミッションは、日本ではCVTを予定しているが、その地域ごとにASGやMTなど適切なミッションを組み合わせる予定だ。

----:すぐにでも市販できるように見えるが、発売時期は?

石渡:まだ参考出品という形ではあるが、かなり市販ベースにまで追い込んだ状態にある。具体的な発売時期は言えないが、近いうちに発売できるよう準備を進めている。

----:今年就任された鈴木俊宏社長は小型車に力を入れていくと発言しているが、イグニスはその一環で計画されたものか?

石渡:その通り、新たなラインアップとして用意した。今までのスイフトに加えて、『バレーノ』も追加され、エスクードの輸入も始まった。スズキにとって小型車のラインアップは一気に増えることになる。

《会田肇》

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