【BMW 7シリーズ 試乗】紳士的な走りにうっとり、でもやっぱりちょっと大きい…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
BMW 740i
BMW 740i 全 11 枚 拡大写真

BMWのフラッグシップらしく、さまざまな革新的な装備が満載されている。さわらずともジェスチャーで音量調節などができたり、隣の車線を走っているクルマが寄ってきたら、少し避けてみたり。

2016年の6月にもなれば、リモート・コントロール・パーキングで、駐車するときには車外からクルマを操れるようになる。ハンドルの切れ角は3度ほどだが、白線に対してまっすぐに修正しようとするには十分だ。狭くてドアが開けられないようなスペースにもこれで対応できる。

いや、そんなことじゃない。こうした「上乗せ機能」はどうでもいいのだ(よくないけれど)。大切なのは素のクルマである。7シリーズは大きい。横幅1900mmもある。私は勝手に「男のクルマ」だと思っている。女性が運転席にいる姿を想像しても、どうもしっくりこない。

どう評価しようか…と戸惑いながら乗り込み、アクセルを踏んだとたん、いきなりハートを打ち抜かれた。ぐっ。前のめりでうずくまりたくなるのをこらえる。この音。直列6気筒エンジンの音! ここ最近、すっかりお目にかかれなくなった6発のドロドロ音が、胸にぐいぐいと迫ってきたのである。やばい。ケンカは先に殴ったほうが勝つ、という話を聞いたことがあるが(やったことはない)、走りだしたとたんにうっとりである。

ボディの大きさをまったく感じさせないしなやかな加速。コーナーを走らせても、ほとんどロールせずに上体をまっすぐに保ったまま走らせてくれるエスコートぶり。紳士でエレガントで、こんな上品に的確に走れるなら、女性でも似合うんじゃないの? 女心はぐらぐらとゆれる。とはいえ、クルマを降りて改めて向き合うと全幅1900mmはやっぱりちょっと大きい。というわけで★は3つです。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る