【MINI クラブマン 試乗】観音開きドアが女性に嬉しい理由…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
MINI クラブマン
MINI クラブマン 全 15 枚 拡大写真

あいかわらずデザインがかわいい『ミニ』である。密かにボディサイズは成長していて、末弟となる『クラブマン』は、ほかのミニ・シリーズたちよりも大きい。

それでも愛嬌があるのは、ラゲッジのドアが観音開きということだ。英語だとスプリット・ドアと言うらしい。ちなみに少し前に私が購入した観音開きの冷蔵庫は、フレンチ・ドアと言った。関係ないけれど。

観音開きは、なんだかほっとする。特に女性は好意的に感じるんじゃないだろうか。バリアフリーとか女性を意識してとか、クルマの操作や乗り降りの条件など、女性の身長や握力を考慮したモノづくりがされているけれど、いかんせん、ハッチバック系のクルマのラゲッジのドアだけは相変わらず重々しい。

電動アシストがついたりと、それなりに考えてくれてはいるものの、そもそも「手をめいっぱい上げる」という行為そのものが、どこか無防備で不安にさせるのだ。脇が甘くなるというか、胴がさらされるというか、シャツがインしたパンツから出ちゃうとか、ワンピースの裾がちょっと短く上がっちゃうとか。

その点、観音開きならスマートだ。右を開いて、次に左というルールがあり、左右どちらからでも開けられる冷蔵庫の便利さまでは至らないものの、脇をしめたままちょこっと開いて荷物の出し入れが完了できる。同じ横開き系でも、片側だけ大きく開くタイプと違って重くもないし、クルマの後ろに広いスペースを必要ともしない。楽っちょなのである。

このように、女性にシンパシーを抱かせるクラブマンだが、走りはほかのミニシリーズ同様に、機械然としたガサツとも思える乗り心地に仕立てられている。ロードノイズは猛々しく、エンジン音もほどよく耳に伝わって走りを演出する。このクーパーは3気筒ではあるものの、軽自動車で聞きなれた3気筒とは音質が異なり、音へのこだわりが感じられる。

ドリンクホルダーの底面にはチェックがうっすら見える敷物を敷くという遊び心があり、モノとしてのカワイさをアピールしているというのに、このマシン感たっぷりな走りとのギャップが、たまらないのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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