JAXA、改良型高性能マイクロ波放射計の運用を終了…9年以上観測

宇宙 テクノロジー
JAXA(参考画像)
JAXA(参考画像) 全 1 枚 拡大写真

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)が12月4日14時30分頃(日本時間)に運用を終了したと発表した。

AMSR-Eは、2002年5月4日に打ち上げられた米国の地球観測衛星Aqua(アクア)に搭載され、設計寿命を超える9年以上にわたって観測を続けてきた。2011年10月4日15時58分頃(日本時間)、定常観測に必要なアンテナの回転速度(毎分40回転)を維持できなくなったため、観測・回転を自動で停止。その後、JAXAとNASA(米航空宇宙局)のエンジニアが協力して観測を再開させる方法を模索してきた。

この結果、2012年12月4日に、AMSR-Eは低速での回転(毎分2回転)と、観測を再開した。低速回転のモードによる観測データはエリアに抜けがあるものの、AMSR-Eの後継センサであるAMSR2との相互校正に利用され、AMSR-EとAMSR2それぞれのセンサ特性の差異を補正、一貫性のある長期継続データを作成・提供するために役立てられてきた。

しかし、低速での回転(毎分2回転)についても維持できなくなったため、2015年12月4日14時30分頃に、観測と回転が自動停止した。

AMSR-EとAMSR2の並行運用が3年となり、相互校正に必要な十分なデータを取得できていることから、JAXAでは、これをもってAMSR-Eの運用を終了することにした。

現在、AMSR-Eの後継として、同一軌道にAMSR2が順調に運用を継続している。AMSR-Eが切り開いた高解像度の水循環変動長期観測と、その現業利用は、AMSR2によって引き継がれ、実利用と水循環・気候変動研究の両面で貢献していく。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ライズ』がカラフルに変身!? フルーツがテーマ『ハバナ フルーティーポップ』、キャルズモーターが発売
  2. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  3. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  4. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  5. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る