【フォード エクスプローラー 試乗】低回転からターボが稼働、湧き出すパワーとトルク…片岡英明

試乗記 輸入車
フォード エクスプローラー
フォード エクスプローラー 全 8 枚 拡大写真

『エクスプローラー』は、フォードを代表するSUVだ。現行モデルは4代目で、真のフルモデルチェンジを断行している。初めてモノコック構造のボディを採用し、前輪駆動の2WDも登場した。また、パワーユニットも一新され、伝統のV型8気筒エンジンが整理されている。現在のラインアップは、4WDが3.5リットルのV型6気筒DOHC、FF方式の2WDは「エコブースト」を名乗る直列4気筒DOHCターボだ。トランスミッションはセレクトシフト6速ATを採用する。4気筒のターボエンジンは2.0リットルだったが、マイナーチェンジを機に排気量を2.3リットルに拡大した。パワーとトルクを高めただけでなく、燃費も向上させている。

XLTエコブーストが積む2.3リットルの直列4気筒DOHCターボは、今までの2.0リットルのターボよりパワフルだ。より低回転からターボが稼働を開始し、モリモリとパワーとトルクが湧きだしてくる。車重は2トンを超えているが、加速は力強いし、従来モデルより高回転の伸びもいい。その気になれば6500回転まで使い切ることができ、気持ちよくスピードを乗せて行く。6速ATとのマッチングがいいから、登坂路でも軽やかな変速と冴えた加速を披露した。

また、新たに加わったパドルシフトも便利だ。コーナーが連続するワインディングロードや坂道でもステアリングから手を離すことなく瞬時に好みのギアを選ぶことができる。静粛性は2.0リットルモデルより向上していると伝えられたが、大きな差は見いだせなかった。

背は高いし、タイヤもマッド&スノーのオールシーズンタイヤだが、ワインディングロードに持ち込んでも挙動は安定している。接地フィールもよかった。ただし、フル加速を試みるとトルクステアが顔を出す。また、コーナーを攻めるとタイヤのたわみも意識させられた。低速域では多少のゴツゴツ感がある。だが、サスペンションのストロークを上手に使っていることもあり、基本的に乗り心地はいい。リアシートに座っても快適性は高いだろう。

マイナーチェンジでフロントマスクなどを化粧直ししたし、風格を増した。アウトドアシーンだけでなく都会にも似合う粋なSUVだが、悩ましいのは価格設定である。2WDのXLTエコブースト、V6エンジンに4WDのXLTともに販売価格は489万円だ。購入後の維持費を重視する人やムード派は4気筒ターボのXLTエコブーストがいいだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
おすすめ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  2. マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
  3. ジムニー愛好者必見! ベルサスVV25MXが切り拓く新たなカスタムトレンドPR
  4. トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
  5. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  6. 日産はなぜ全固体電池にこだわるのか? 8月にも横浜工場でパイロットプラントを稼働
  7. ホンダ『N-VAN』一部改良、急アクセル抑制機能を装備…アウトドアスタイルの特別仕様も
  8. アルファロメオ『ジュニア』がミラノ・デザインウィーク2024に登場
  9. 一気に200馬力以上のパワーアップ!? アウディのスーパーワゴン『RS4アバント』後継モデルは電動化で進化する
  10. <新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
ランキングをもっと見る