【BMW 7シリーズ 試乗】サルーンに相応しい堂々としたクルージング感覚…藤島知子

試乗記 輸入車
BMW 740i M Sport
BMW 740i M Sport 全 12 枚 拡大写真

輸入車で最も売れているラグジュアリーサルーンといえば、メルセデスベンツ『Sクラス』の独壇場。サルーン作りを得意とするメルセデスに対し、BMWは『3シリーズ』や『5シリーズ』といったミドルクラスのモデルの方が駆け抜ける歓びを表現するイメージにリンクする。それだけ、『7シリーズ』の存在感は薄かった。

しかし、今回の7シリーズは違う。人がクルマと向き合うインターフェイスが刷新されたことで、新感覚で向き合えるモデルとして、大きな躍進を遂げたのだ。そのひとつは「ジェスチャーコントロール」。ドライバーはセンタークラスター周辺で手を動かすと、センサーがその動きを読み取ってオーディオのコントロールなどを行い、スイッチに触れずに操作できる未来的な感覚を与えてくれる。また、車外からリモコンキーの遠隔操作で車庫入れができるリモート・コントロール・パーキングをいち早く搭載してくるなど、アッと驚く先進感も満載だ。

走りの面の進化については、これまでの7シリーズは技術先行で自分が操作した以上にクルマに乗せられている感覚があったが、今回のモデルはサルーンに相応しい堂々としたクルージング感覚、操作しただけ素直に反応してみせるしなやかな走りをもたらしてくれるようになった。運転をさり気なくサポートする気遣いが深まったことは、成熟した大人になった証といえるのかもしれない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。

《藤島知子》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『LM』対抗!これがメルセデスベンツ最高級ミニバン、『Vクラス』後継の最終デザインだ
  2. 下請法が「取適法」に…2026年1月施行の改正ポイントは?
  3. 「完璧なフルモデルチェンジ」三菱『デリカミニ』が2代目に! 可愛さも機能も大幅進化で「後世に受け継がれる名車」と話題に
  4. トヨタの新型『ヤリスセダン』がタイで登場!「アティブ HEV」にはGRスポーツも
  5. 販売わずか3年の希少車種、「角目」のいすゞ『117クーペ』【懐かしのカーカタログ】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る