国交省、航空局職員の収賄事件で中間報告「違法行為に対する認識が甘い」

航空 行政

国土交通省の航空局職員が収賄容疑で逮捕、起訴された事件を受けて設置した再発防止検討委員会が中間報告をまとめた。

航空局職員が羽田空港に航空機格納庫を所有するWings of Lifeに対して、国有財産使用料の滞納、使用料の納付督促、構内営業承認の更新に便宜を図り、謝礼として同社前代表取締役から、現金約440万円相当の供与を受けたとして昨年年9月に収賄容疑で逮捕され、起訴された。

これを受けて設置した「航空局職員非違行為事案に係る再発防止検討委員会」は中間報告をまとめた。それによると事件の背景には、航空局組織として違法行為に対する認識が甘く、リスク管理が不適切だったほか、職員のコンプライアンス意識の醸成が不十分、国交省と東京航空局の役割分担が不明確のまま、本来職責としない職員が独断で対応する余地を与えていたことなどがある。

構内営業承認の更新などについては、航空局で具体的な運用方針を事前に定めていなかったため、使用料滞納事実で構内営業者に対し厳格な対応を取ることが困難だったとしている。

このため、再発防止策として「コンプライアンス推進責任者会議」の新設とリスク管理の徹底を通したコンプライアンス体制の確立、コンプライアンス研修の抜本的見直しえを求める。さらに、航空局所属の一定範囲の職員は、所管事業者と飲食を行った場合、所属長への事後報告を徹底させ、報告を怠った場合は、職員の人事評価に反映させる必要があると指摘する。

所管事業者との癒着を未然に防ぐため、在籍期間を原則2年以内とし、人事配置の適正化を図ることも求める。

国交省から地方航空局に対して個別案件に係る審査を助言・指導する場合、所属長の署名入りの文書で行い、明確化する。各国管理空港の構内営業者に対する対応状況について国交省、地方航空局、空港事務所間で定期会合を開催し、関係者への可視化と情報共有を図る。

国有財産使用料滞納した場合の構内営業承認の更新について、航空局で具体的な運用方針を定めて、より客観性、透明性を高めて厳格に対応することを提言する。

一方、1月15日付けで、航空局航空ネットワーク部首都圏空港課業務係長だった職員を懲戒免職とした。このほか、職員の上司であった5人についても一定の管理監督責任が認められることから、内規による「厳重注意」を行うことが相当として、それぞれ矯正措置を実施した。

《レスポンス編集部》

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