【日産 スカイライン 試乗】先進性、エコ、スポーツのすべてを1台にコンプリート…青山尚暉

試乗記 国産車
日産 スカイライン
日産 スカイライン 全 8 枚 拡大写真
今やインフィニティのエンブレムをつける、自動運転を見据えたステア・バイ・ワイヤを初搭載した先進機能満載の『スカイライン』。

ハイブリッドとダウンサイジングターボの2タイプが用意されるが、共通するのは退屈さとは対極にあるアスリート的セダンというキャラクターだ。今どきコクピットに灰皿があるのはどうかと思うが、室内は精悍なスポーツムード満点。メーターリングのデザインにやりすぎ感もあるけれど、とにかく運転席に収まれば、ジムのドアを開けたような感覚になれる(運転2度目からの場合)。

まずはドライブモードをエコモードにセットして走りだせば、なるほどFRらしいステアリングを切れば切っただけ間髪を入れず曲がるドライバーの意志とクルマの一体感、旋回感覚が気持ちいい。乗り心地は硬めでも角が取れた上質さがあり、パワステも適度な安心感ある重さを示す。加速性能はこれで「エコ」かっ! と思えるほど強力だ。きつい段差やキャッツアイを乗り越えたときにステアリングにショック、振動が伝わらないのは、ステアリングシャフトが連結されていないのだから当然…というか、不思議な感覚ではある。

では、ドライブモードをノーマルモードに切り換えるとどうか。パワステはズシリと重くなり、一気に硬派なスポーツセダンに変身。このモードでも軽々パワステに慣れたセダンユーザーはうっ! とのけぞるかもしれない。RAIZAPで体を締め上げ、さらにジムに通うぐらいの気合が入る気分になる。

さらにスポーツモードにセットすれば、これはもうマシンと化すハードさ、極端な変化に驚くはずだ。パワステはアシストなどないんじゃないか!? と思えるほどズシリと重くなり、1モーター2クラッチのハイブリッドシステム面目躍如と言えるレスポンシブルで切れ味鋭い硬派すぎるスポーツマシンに変貌する。それこそドイツ製セダンよりずっとスポーティだ(0-100km/h加速はポルシェ『911』並み)。ただ、日常、個人的にはこのモードには入れない。山道だってノーマルかエコモードで十分にスポーツセダンを楽しめるのだ。

その一方で、高速巡行では静かで爽快なEV走行も可能で、先進性、気分的なエコ、スポーツのすべてを1台にコンプリートしたのが最新のスカイラインハイブリッドということだ。退屈なセダンにあきあきした大人に試してほしい乗っちゃえ日産、じゃなく、”乗っちゃえインフィニティ"である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★


青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《青山尚暉》

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