全国で貸切バスの街頭監査、5日間で42台55件

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スキーバス転落事故を受けて実施されている貸切バスへの立ち入り監査(21日・西新宿)
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軽井沢スキーバス転落事故の特別監査で、安全運行の法律違反が多数見つかったことを受けて、国土交通省は全国で抜き打ちの街頭監査を開始した。運行前の貸切バス停車中に車内に立ち入って監査を行うことは極めてまれだ。

街頭検査開始から28日までの1週間で、東京都新宿区をはじめ、北は宮城県名取市の仙台空港、南は福岡市の博多港中央ふ頭まで全国12か所で5日間にわたって実施された。

街頭監査は国土交通省と都道府県警察合同で、1台に職員数人が車内に立ち入って、備え付けなければならない要件について調べる。人員に加えて、監査対象となる車両にも余裕のある時間が必要で、出発時間が定められた貸切バスの街頭検査は実施の例がほとんどない。

ところが、スキーバス転落事故の特別監査でバス会社の法令違反が約20件ほど見つかったことで、改めて安全確認が必要と判断。3月中旬にかけて確認作業を続けている。

21日~28日までの街頭検査の実施状況では88台が監査の対象となり、そのうち42台で55件の不備が見つかった。その多くは、運行指示書の記載不備と定められた車内表示を掲げていないなどの表示違反だ。

バス会社がルートや休憩時間、運転手の交替のタイミングなどを記載した運行計画を策定。運行指示書で運転手に、その内容を伝えるもの。軽井沢スキーバス転落事故でも運行指示書に出発地と到着地の記入しかなく、ルートなどの運行計画が決められていなかったことが明らかになっている。

運行指示書は旅行者に知らされる行程表とは別のもので、この指示によって運行されるため、事故防止にはとても重要なものだ。JR大阪駅で実施された監査では、運転手が車内で携行すべき運行指示書を、そもそも持っていなかった例指摘もされている。

事故後の監査でも以前として運行指示書の不備などの違反が見つかったことは、バス事業者の安全運行の取り組みにかなりの温度差があると言わざるを得ない。

《中島みなみ》

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