【ジャガー XE 試乗】猫足イメージ吹き飛ぶ、リニアな足ごたえ…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
ジャガー XE
ジャガー XE 全 14 枚 拡大写真

ジャガーのイメージといえば、猫足である。凹凸をかるくいなし、加速も…と思っていたら、スポーツサルーンの『XE』の、あまりに地に足のついた走りに冷水を浴びせられた思いがする。私の抱き続けていた思い出はすでに彼方へと過ぎ去っていた。

アクセルを踏んだときの、リニアな足ごたえがすごい。簡単な言葉を使えば、重い。アクセルを踏んだとき、もっと軽く加速させる味付けも可能であろうに、ここまで重くするのかというほどの重さである。右足はさぼることができない。しっかりと踏みこまないと車体は前に進まないのである。

ひょいひょいと軽く走れるクルマにすれば「速い」という評価を受けやすい。定食のおかずの塩加減を強くすれば「美味しい」と感じてくれやすいようにだ。けれど、そこじゃないんだな、きっと。素材の味、ジャガーを味わうというコンセプトは、ドライバー自身が操作して性能を引き出すとより深く堪能することができる。スポーツサルーンという素性であれば、なおさらである。クルマに乗せられるのではなく、クルマに乗らなければ面白くないのだ。

走りはスポーティな手ごたえ&足ごたえを感じているというのに、やたら無駄に興奮しないのは、インテリアのしつらえのよさである。丸型の個性的なシフトレバーといい、盛りあがった窓枠付近の革の内装といい、シートの座り心地のよさ、革の手触りの満足度、どれをとっても、ほっとため息をつきたくなる。この空間の作り方こそがジャガーなのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】スライドドア採用にカスタム廃止、大胆進化のムーヴ「四角く見せたくなかった」動きのデザインとは
  5. 「内装は100点満点」フランス生まれの新型プレミアムハッチ『DS N°4』にSNS注目!「いい、凄くいい」の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る