大阪府警で捜査書類や証拠品が放置されていた問題で、四輪車や二輪車の盗難、交通違反などが含まれている可能性があることを同府警刑事部が明らかにした。
同府警は刑事部をはじめ交通部、生活安全部、地域部などでもさらに調査を継続中で、今年3月末をめどに結果をとりまとめて公表する予定だ。これまでに全65署のうち61署で放置事案が発覚し、約4300事件で捜査書類や証拠品が放置されていた。さらにこれまでわかった4300事件に加えて、放置事案が増える可能性がある。
これまでに把握した約4300事件のうち約1000事件は「けんか」による暴行や傷害事件だった。「関係者間で示談が成立し、その後被害届が取り下げられない、呼び出しても応じないままで止まっている事件もある。また、このほかにも自動車やオートバイ、自転車の盗難に関するもの、交通事故に関するものが含まれている可能性がある」という。
現状では、どのような容疑事件が何件あるかという詳細については取りまとめられていない。また、3月末の公表でも詳細が明らかにできるかどうかは未確定と同府警は話す。
2年前、羽曳野署で段ボール40箱に及ぶ20事件以上の証拠品が放置されていることが発覚。これをきっかけに同府警すべてで調査が開始された。
約4300件の捜査放置が明らかになって以来、同府警・警察署への問い合わせは増えている。被害者の中には、届けを出しても捜査がなかなか進展しない、インターネット・オークションに出品された盗難パーツが証拠品として押収されたが返還が進まないなどの不満を被害者が抱くことがある。そうした不信が現れているようだ。
被害届などの捜査書類は受理簿に記載し、施錠できる金庫などに保管することが定められている。また、証拠品は検察庁に送致するか、一部は被害者に返還するなどの手続きが必要だ。
同府警は「時効を迎えたものは速やかに検察庁に送り、時効を迎えていないものが見つかった場合は、捜査を継続する」と話す。