【ロータス エヴォーラ400 試乗】スーパーカーの域には入ってほしくない…諸星陽一

試乗記 輸入車
【ロータス エヴォーラ400 試乗】スーパーカーの域には入ってほしくない…諸星陽一
【ロータス エヴォーラ400 試乗】スーパーカーの域には入ってほしくない…諸星陽一 全 10 枚 拡大写真

ロータスと言えばコンパクトなスポーツカーというイメージが強いが、この『エヴォーラ400』は全長約4.4mの2+2モデルだ。

まず第一に走す前に乗り込みやすい。たしかにシート高は低く、一般的なクルマに比べたら“どっこいしょ”なのだが、今までのロータスに比べたらサイドシルも細くて、割合に楽々と乗り込める。エンジンを始動して、走り出しの印象は「おっ、乗りやすい」なのだ。クラッチは適度に軽く、ギヤを選んでクラッチをつなげばスッと前に進んでくれる。

アクセルをグイッと踏み込んで加速していくと、406馬力の最高出力を誇る3.5リットルのスーパーチャージャー付きエンジンは、5000回転付近まで一気にスッと回転を上げる。スーパーチャージャー付きのエンジンはここまでで十分なトルクを出す。ミッションは軽い操作でビシッと選んだポジションに決まり、正確だ。

サスペションは前後ともにダブルウィッシュボーン。ダンパーはビルシュタインで、スプリングはアイバッハと黄金の組み合わせ。タイヤの路面への追従性は高く、ステアリング操作に対するクルマの反応もクイックでコーナーをググッとクリアしていく。『エリーゼ』や『エキシージ』のようにヒラリヒラリとした軽快な雰囲気ではないものの、信頼できる高速コーナリングが可能だ。

さらにすごいと感じるのは、こうしたスポーツ性を持ちながらも高速道路を走っているときなどは、ゆったりした乗り心地も実現している部分。路面の継ぎ目なども上手にいなしてフラットライドを実現。スポーツカーとしての性能とともにGTカーとしての素質もたっぷりと持っている。

ロータスというビッグネーム。ていねいな製作方法などを考えても1355.4万円という車両本体価格はちょっと高めに感じる。エリーゼ、エクシージと順番に価格が上がってくるのはわかるが、ロータスはスーパーカーの域には入ってほしくないという思いがある。1000万円を超えるスポーツカーなので、★の評価は価格を考慮しないものとした。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  2. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  3. 4億円オーバーのV12エンジン搭載「完全アナログ」なハイパーカー登場!
  4. かつてのマーチ、新型日産『マイクラ』英国発売に、SNSでは「英国は小型車の価値を知ってる」「日本でも売りゃいい」の声
  5. 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに日本上陸!…新型車ベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る