【鈴鹿の名“対決”】中嶋悟 vs 鈴木亜久里、日本人ドライバーが魅せた…1990年F1日本GP

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鈴鹿の“名”対決、1990年F1日本GP
鈴鹿の“名”対決、1990年F1日本GP 全 8 枚 拡大写真

思わぬ形で決着がついた90年F1日本GPのセナプロ対決。この年の日本GPは大波乱の展開となったが、この年は様々な「対決」で盛り上がったレースでもあった。

アイルトン・セナとアラン・プロストの接触から始まった決勝レース。その後も両者のチームメイトであり優勝候補と目されていたゲルハルト・ベルガー(マクラーレン)は2周目にスピンアウト。ナイジェル・マンセル(フェラーリ)も途中マシントラブルに見舞われリタイア。主役が次々と脱落していく中、彼らがこの年の鈴鹿を盛り上げる。

中嶋悟vs鈴木亜久里

1987年から日本人初のフルタイムF1ドライバーとして挑戦を始めた中嶋悟。3年間在籍したロータスを離れ、この年からティレルで上位を目指した。中嶋の後を追って89年から鈴木亜久里がフル参戦を開始。しかし、初年度は在籍したチームの戦闘力不足もあり全戦予備予選落ちと、苦戦を強いられた。翌90年はラルースに移籍し、日本GPの予選では中嶋を上回る予選10位を獲得。

決勝も前年のうっ憤を晴らすような力強い走りを見せ、レース中盤に3番手に浮上。スタンドの盛り上がりも最高潮に達した。そして、後続との差を保ったままチェッカーフラッグを受け、日本人ドライバーとして初めて世界最高峰のF1の舞台で表彰台を獲得。中嶋も87年以来となる母国GPでの6位入賞。日本人ドライバー2人が母国レースで大活躍したとあって、鈴鹿サーキット全体が大歓声に包まれた。

アイルトン・セナvsネルソン・ピケ

このレースの主役たちが次々と序盤から姿を消す中、トップに躍り出たのは鈴鹿でのF1初開催時にチャンピオンを決めた経験のあるネルソン・ピケだった。その後、ウイリアムズを離脱。ロータスを経て、90年からベネトンに移籍。それでもマクラーレンやフェラーリから比べると戦闘力は劣り、すっかり勝利から遠ざかっていた。

その間に同郷の後輩であるアイルトン・セナがチャンピオンを獲得するなど大活躍。すっかりブラジル出身のエース格は世代交代することになった。それでも、このレースはマクラーレンとフェラーリの2チーム4台が全滅する波乱に。その中でピケらしい堅実な走りが再び脚光を浴びる。急きょ代役出走することになったロベルト・モレノとともにワンツー・フィニッシュを飾った。

日本GP直前にヘリコプター事故に遭い、欠場を余儀なくされた僚友アレッサンドロ・ナニーニに嬉しい報告ができること、そしてなにより再び表彰台の頂点に返り咲けた喜びも重なり、表彰式では終始笑顔が絶えなかった。

鈴鹿サーキットでは3月12・13日、「2016 モータースポーツファン感謝デー」が開催。今回のテーマは「対決」。様々なゲストや車両が登場し、バトルを繰り広げる。

《吉田 知弘》

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