【プロショップへ行こう】続・スピーカー装着における匠の技術 パート4…ドア内部に“エンクロージャー”を埋め込む

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“エンクロージャー”化されたドアスピーカーの例。製作ショップ/Proshop Vogue(千葉県)
“エンクロージャー”化されたドアスピーカーの例。製作ショップ/Proshop Vogue(千葉県) 全 1 枚 拡大写真

“カーオーディオ・プロショップ”のバリューをご紹介しながら、カーオーディオの奥深さについてもお伝えしようとしている当コーナー。今月は、「スピーカー装着における匠の技術」と題し、主に“アウターバッフル”について解説してきた。

そして今週は、“アウターバッフル”に見た目が似ている、もう1つのスピーカー装着方法をクローズアップする。それは、「ドア内部に“エンクロージャー”を埋め込む」というアプローチ。

まずは、“エンクロージャー”とは何なのか、からご説明していこう。ホームオーディオのスピーカーで言うところの、スピーカーユニットが取り付けられている箱、あれが“エンクロージャー”である。スピーカーの裏側から発せられる音を閉じ込める(前側に出さない)ためのものである。

カーオーディオにおいても、ドアは概ね“エンクロージャー”的な役割をしている。しかしながら、完全な“エンクロージャー”とはなっていない。ドアには小さな水抜き穴が開いていて、また、ウインドウ部分のすき間からも多少なりとも音が漏れる。完ぺきな密閉状態を作れてはいないのだ。

本来ならば、完全な“エンクロージャー”にしたいところではあるのだが、現実的には難しい。なので各“プロショップ”は、完全な“エンクロージャー”でなくともスピーカーの性能を引き出せるように、創意工夫を発揮している、というわけだ。

それに対して、どうせなら完全なる箱を作り、それをドア内部に埋め込んでしまおう、というやり方が存在している。それが、「ドア内部に“エンクロージャー”を埋め込む」という方法なのである(出来上がりの見た目は、“アウターバッフル”と変わらない)。

ちなみにこの方法においては、スピーカーは10cmとか13cmといった、口径の小さめのものが使われることが多くなる。通常の17cmスピーカーでは大きなボックスが必要となるので、現実的なアプローチとしてそのような選択が取られるのである。

ただ、小口径のスピーカーを使ってボックスを小型化できたとしても、ある程度の大がかりな加工は避けられない。そもそもそのようなスペースが確保されていない中で、ボックスを埋め込むことが簡単であるはずもないのである。というわけで、「ドア内部に“エンクロージャー”を埋め込む」ことのデメリットは、「加工の大変さ」にある。

しかし、メリットも大きい。もっとも大きなメリットは「スピーカーをコントロール下に置けること」だ。ボックスの容量と、構造を計算して設計することで、スピーカーの鳴り方についても計算が立つのである。他の要素が介在しないので、状況がシンプル、ということでもある。

以上が「ドア内部に“エンクロージャー”を埋め込む」ことの概要、ならびにメリットとデメリットだ。ドアにスピーカーを取り付ける方法として、このようなスペシャルな方法も存在しているのである。この方法などは特に、ある意味“プロショップ”らしい取り付け方法と言えるかもしれない。難しく、かつマニアックなやり方であるからだ。

さてここまで、ドアにスピーカーを取り付けることにおける、“カーオーディオ・プロショップ”が実践しているさまざまな技術をご紹介してきた。いろいろな注意点があり、いろいろなやり方が存在している。カーオーディオの奥深さを感じ取っていただけたら幸いなのだが…。

“カーオーディオ・プロショップ”は、スピーカーの性能を引き出すべく、時々に応じてベストな方法を選択し、的確な加工を行っていく。良い音を得ようと考えるなら、“カーオーディオ・プロショップ”の力を、ぜひぜひ頼ろう。期待以上の音が得られる可能性は、相当に高い。

【カーオーディオ・プロショップへ行こう♪】続・スピーカー装着における匠の技術 Part.4「ドア内部に“エンクロージャー”を埋め込む」

《太田祥三》

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