【VW パサートGTE で1000kmドイツ旅】その1…あっけなく200km/h、パワーと静けさに驚き

自動車 ニューモデル 新型車
VW パサートGTE ヴァリアント(ツォルフェアアイン炭鉱業遺跡群)
VW パサートGTE ヴァリアント(ツォルフェアアイン炭鉱業遺跡群) 全 16 枚 拡大写真

今回、ドイツ・ハノーファーから南下し、スイス・ローザンヌにかけておよそ1000kmをフォルクスワーゲン『パサートGTE』で旅する機会を得た。自動車発祥の国ドイツを走り抜けた旅を、3回に分けて紹介する。

◆出発地はドイツ、ハノーファーの元万年筆工場

今回の旅の出発地となるのは、ハノーファーという街にあるシェラトン・ハノーファー・ペリカンホテル。ペリカン、という名前でピンときた人もいるかもしれないが、このホテルは元々万年筆メーカーであるペリカンの工場だったものをホテルに改装したもの。狭い通路や外観のレンガなど、今でも当時の面影が至る所に残されており、歴史あるものを大切にするドイツらしさをうかがい知ることができる。

ホテル前には、今回の旅のパートナーとなるパサートGTE ヴァリアントが用意されていた。ヴァリアント、ということで荷室のスペースも十分。後ろにスーツケースを載せ、クルマの周りをぐるっと一周してみた。レンガでできた建物の前でもそのデザインが映えるパサートGTE。旅への期待を胸に、乗り込んだ。

パサートGTEは、昨年11月の東京モーターショーでジャパンプレミアしたプラグインハイブリッド車(PHV)。その特徴はモーターとエンジンを使った力強い走りと、その環境性能だ。115kW/156psを発生する1.4リットル直噴ターボエンジンと85kW/115psの3相永久磁石同期型モーター、エネルギー容量9.9kWhの高電圧リチウムイオンバッテリーを組み合わせたドライブユニットを搭載。モーターだけを使ったゼロエミッション走行や、モーターとエンジン両方を同時に使うスポーティな「GTEモード」など、どんな走りにも対応することのできる最新モデルだ。

◆今でも全体の約70%は制限速度なし!…アウトバーンを走る

まず走り始めると、モーターを使ったその滑らかな走り出しを実感。そのまま少し走り街を出ると、突然制限速度100km/hの標識が出現。ドイツでは一般道でも、市街地を出れば制限速度は100km/hが普通。日本では見ることのない標識に少し感動しながらも、すぐにクルマは高速道路へ。あの有名な「アウトバーン」だ。

クルマにある程度興味がある人はご存知かもしれないが、ドイツの高速道路アウトバーンは、制限速度がないことでよく知られている。だからと言ってどこでも制限がないというわけではなく、実際街が近づくと制限速度が130km/hになる。それでも依然として、ドイツ国内の高速道路の約70%は制限速度がない(気象状態や混雑状況によっては制限速度が設定される箇所も存在する)。

まるでルールのない無法地帯かと勘違いする人もいるかもしれないが、それとはまったく逆。ドイツの高速道路はルールがしっかりとしており、安全への意識もとても高い。右車線からの追い越し(ドイツは右側通行なので、日本でいう左車線からの追い越し)と、制限速度違反は厳重に取り締まりがされており、今回の旅でも違反者を見ることは一度もなかった。一番左の車線を走るクルマは、自分よりも速いクルマが来たらしっかりと道を譲る、という光景も何度もあった。

一番右側の車線でも130km/hぐらいで流れているものの、無理な追い越しをしないことで、高速度域でも安全な交通を実現している。せっかくなので一番左の車線を200km/hで走ってみようと思い、アクセルペダルを踏み込んだ。すると180km/hまでスムーズに加速。そこからもう一段、最後まで踏み込むとパサートGTEはあまりにもあっけなく200km/hに到達してしまう。

このままだとどこまでも加速を続けそうに感じ、踏み込む力を緩めた。その加速性能だけでなく、車内空間の静かさにも驚く。もちろん130km/hで走っていた時よりも走行ノイズは入ってくるが、200km/hで走っていても声を荒げることなく普通に会話ができるレベルである。

人生初めての200km/h走行に多少の緊張はしたものの、無理な運転をするドライバーもいないので、怖い思いはしなかった。ドイツという国は、クルマという乗り物をルールに沿って扱うことで、その性能を最大限に引き出しているように感じられた。

◆エッセン、歴史を今に伝える世界遺産

ハノーファーから南西に250kmほど走ると、エッセンに着いた。目的地は世界遺産にも指定されている、ツォルフェアアイン炭鉱業遺跡群。ここは1840年代から炭鉱として発展し、周囲のエリアを含め、19世紀にはドイツ最大の炭鉱となったところだ。1980年代後半まで採掘が続けられ、現在建物の多くは多目的ホールとして民間に利用されている。

コンサートなども時折開催され、訪れた際いくつか中を覗いてみたところ、現在はアトリエとして利用されている建物が多いようだ。

敷地内には博物館もあり、工業地帯であるルール地方の歴史に関する展示が行われている。建物の一部は洗炭工場の設備がそのまま残されており、内部では当時の工場の様子を垣間見ることができる。

ひときわ目を引く巨大な滑車は、第12採掘坑。現在でも滑車は回り続けており、工業国というドイツの歴史を今に伝えている。

次回は、様々な乗り物が展示されるシュパイアー技術博物館と、環境首都フライブルクを紹介する。

《取材協力》
フォルクスワーゲングループジャパン

《関 航介》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  3. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  4. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  5. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る