【カーグッズ】充電ポートを整備してスマホ環境を快適に

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写真1:シガーソケットに差し込むタイプの充電アクセサリ
写真1:シガーソケットに差し込むタイプの充電アクセサリ 全 9 枚 拡大写真

 自動車の中で電装品の電源といえば「シガーソケット」だ。しかし、いまやそんなものよりUSBの充電端子にしてくれたほうがよっぽどうれしい、という人が多いのではないか。そんなわけで、今回の「レビュー」は車載用のUSB充電ポートを取り上げたい。

 シガーソケットはその名のとおり、車の中でたばこの火をつけるために使う道具。しかし、世界レベルで禁煙志向が広がる中、車の灰皿はもはやオプション装備でしかない。シガーソケットも車内で使う電装品のためのDC12Vの電源アウトレットとして残っているくらいだ。空気入れ、ハンディクリーナー、蛍光灯、LED照明、湯沸かし器、車のシガーソケットから電源をとる便利グッズも多い。これらは、これでとても便利なのだが、いまどきのニーズと使用頻度でいったら、スマホやタブレットの充電ポートとしての機能は欠かせない。

 もちろん、車載用USB充電ポートは、カーショップや家電量販店で様々なタイプの製品が売られている。利用している人も多いと思うが、逆に多すぎてどれを選べばいいのかわからない。車でスマホなどに充電するには、標準のUSBオスコネクタの部分が円筒形のシガーソケットになった充電ケーブルから複数の充電ポートが用意されたボックスタイプまで、値段や形も含めて方法、製品は千差万別といったところだ。

 その中で筆者が使っている製品をベースに、それらの特徴、不便なところを解説しながら、製品選びのポイントを伝授しよう。

●シガーソケットを充電ポートにする
 多くの人は、シガーソケットのプラグにUSB端子のついた製品を使っているかと思う。値段も安く種類も豊富だからだ。しかし、この方法は、使うときにいちいちプラグを差し込まなければならない。差しっぱなしにすると、プラグが車内にでっぱったり、コードがじゃまになる。
 カールコードの製品を選べば多少すっきりするが、筆者は、シガーライターの部分と交換してアウトプットをUSBポート(DC5V)に変換するタイプの製品(写真1)をお勧めする。

 2ポートのもので1200~1300円くらいで売っている。ポートが1つのものなら1000円以下から買えるはずだ。たばこを吸わないなら、シガーライターの代わりにこれを差し込んでおけば、いつでもスマホへの充電が可能だ。コンパクトで場所もとらないし、ソケット部分が大きく飛び出すこともなく、とりあえず充電ポートが1つでもあればよいという場合に最適だ。写真の製品は2.4Aとれるので、タブレットの充電も可能だ。

 自分はたばこを吸うので、シガーソケットをUSB専用につぶしたくない。あるいはポートが1つでは足りない、という場合は、シガーソケットを分岐させる方法がある。シガーソケットを分岐させる車載アクセサリは、カーショップ、ホームセンターのカー用品売り場で入手可能だ。2口、3口くらいの製品が主流で、両面テープなどでダッシュボード下、センターコンソール脇など適当なところに張り付ける。取り付ける際は、ケーブルを含めて運転のじゃまにならないようにすること。必要ならコード類はコードクリップ、ステーなどで固定する。

●ボックスタイプはアウトプットの構成を選べる
 次に紹介するのは、ボックスタイプの充電ポート(写真2)。充電ポートを複数とりたい、シガーソケットもつぶしたくない、といった場合はこの方法が基本となる。写真の製品は2Aまで容量があり2ポートにシガーソケットが1個ついている。値段は2000円前後。値段は、ポートの数や電源容量によって変わってくる。車側のシガーソケットから電源をとってもシガーソケットをつぶさないようにこのような仕様になっている。筆者はたばこを吸わないが、空気入れ(電動コンプレッサー)や作業用のランプのため、シガーソケットを使えるようにしておきたかったので、このタイプを選んだ……、のだが、取り付けようと思ったとき、ちょうど灰皿を抜いたスペースに収まりそうだったので、結局、電源を内側の配線から分岐させる形で取り付けた(写真4)。

●シガーソケットを使わず直接配線する方法もある
 配線はカーショップなどで売っている分岐用の配線コード(写真7)を利用すればよい。センターコンソールのカバーを外すと、たいていの車はシガーソケットへの配線コードに手が届くはずだ。この部品は既存の配線をプラスチック部分ごと挟み込むようにして、プライヤーで固定するだけで、電源の分岐ができる。マイナス側のコードは車体の金属部分に既存のねじなどを利用して取り付ける。注意したいのは、シガーソケットのプラグは内部にヒューズが内蔵されている(写真8)ので、配線を切って、直に電源をつなぐ場合、後付けのヒューズボックスかブラケット(これもカーショップで売っている)で同じアンペア数のヒューズを追加するのを忘れないでほしい。ヒューズがない場合、ショートしたり過電流が流れると火災につながり危険だ。車の中はプラスチックやビニールなど可燃性の素材だらけで、ちょっとした火花でも侮れない。

 電源を内部から配線したので、もともとのシガーソケットには、最初に紹介したプラグタイプの充電ポートを取り付けることにした。これで、うちの車は約4A、4ポートのUSB充電端子つきとなった。これだけあると、スマホ2~3台までほぼ問題なく充電できる。タブレットも2台くらうまでいけるはずだ。バッテリー使用だと、GPSとマップの表示で数時間で電池がなくなるスマホのナビアプリも、カーナビのように地図を表示したまま使うこともできる。同乗者のスマホの充電リクエストにも余裕で応じられるだろう。

●製品を選ぶポイント
 車載用のUSB充電ポートを選ぶ時のポイントは、まず電源容量がどれくらいとれるかどうかをチェックしよう。スマホ1台ならだいたい1Aあれば大丈夫だろう。タブレットなどは2Aくらい必要だ。容量が足りないと何時間充電しても終わらないことになる。自分の持っている製品がどれくらいの容量なのかは、付属の充電器のラベルや刻印で確認すればよい。充電器と同じくらいの出力定格があれば大丈夫だ。

 次に値段だが、あまり安いものは電圧、電流ともに安定しないものがあるので注意したい。シガーソケットの電源はDC12Vといっても、車のバッテリーの状態、使っている電装品、エンジンの回転数(発電機を回している)によってかなり電圧が変動する。安定した5Vを出力するには、電圧の降圧だけでなく安定化のための回路も必要だ。値段は1ポートで安いもののでも1000円前後を目安にしたい。容量の高い製品はそれだけ余裕のある部品を使う必要があるため、値段も高くなる。2A以上で複数ポートを備えたもので、PCアクセサリ、自動車アクセサリで名の通ったメーカー製品なら、2000円以上でも高くはない。

 また、高い充電ポートで口もたくさんついているらといって、同時に何台も充電するときは、必ずエンジンをかけた状態で行うようにしよう。5V2Aの定格だとして10Wの電力を消費することになる。SSDタイプのポータブルカーナビくらいの電力は食っている計算となる。充電ケーブルはつなぎっぱなしにしがちなので、10Wといえどバッテリーあがりの原因になる可能性があるので注意するにこしたことはない。

 最近では、カーオーディオの外部端子や充電端子としてUSBコネクタを備えた車種もでてきているが、まだ標準的な装備にまではなっていない。自動車メーカーは、センターコンソールのUSB端子を標準装備としてほしいくらいだが、カーショップの小物を利用するだけでも車内のスマホ環境を各段に向上させることができる。これからのドライブシーズン、モバイルバッテリーも便利だが、車載USB充電ポートを利用して車内の電源環境を改善してみてはどうだろうか。

【レビュー】車載用充電ポートを整備!クルマでもスマホ環境を快適に

《中尾真二@RBB TODAY》

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