【メルセデス AMG G63 試乗】とんでもなくパワフルだが意外に快適…諸星陽一

試乗記 輸入車
メルセデス AMG G63
メルセデス AMG G63 全 6 枚 拡大写真

メルセデスベンツのなかで異色の存在感を持つ『Gクラス』。そのGクラスの5.5リットルV8エンジン搭載車『AMG G63』に試乗した。

Gクラスはもともと軍用車である「ゲレンデヴァーゲン」がベース。その歴史は1979年に始まる息の長いモデルだ。日本に輸入されているモデルでもっともベーシックなものは、3リットルのV6ディーゼルターボを積むG350dだが、このG350dでも車両本体価格は1070万円。試乗したG63は5.5リットルのV8エンジンを積むモデルで、価格は1900万円にもなる。じつはさらにこの上に6リットルのV12エンジンを積むG65が存在し、そちらは3470万円というとんでもないプライスが付けられている。

さてG63。この走りはなかなかエキサイティングだ。G63のエンジンは571馬力という大パワーを持つ。車高は1950mm、タイヤは275/50R20だ。571馬力のエンジンを2m近い車高のボディに積むというのは、かなり思い切った組み合わせだということは容易に想像できるはずだ。アクセルを踏み込むとグバッとフロントを持ち上げるようにしながら加速を始める。ドロドロッという独特な排気音も迫力にあふれている。ミッションは7速でスムーズにシフトアップする。巡航状態に入ってしまうと、意外なほど快適。乗り心地も悪くない。

サスペンションは前後ともにコイル式のリジッド。左右の車輪が完全につながっているリジッドサスは、ロール剛性が非常に高い。そしてコイルスプリングを採用したことでしっかり動くしなやかさが与えられている。車重が2.5トンクラスのクロカン車では、この組み合わせがちょうどいい。コーナーを速めの速度で進入するとそれなりにロールはするが安定感は高い。

1900万円という車両価格は、一般的な経済観念とはかけ離れているので、★の数は価格を考慮しないものとした。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★ ★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. テスラが社名変更、エネルギー事業拡大へ
  2. ホンダ『シビック』、米国初のハイブリッドは200馬力…「タイプR」以外では最強
  3. ジープの小型SUV『アベンジャー』、PHEVの「4xe」を間もなく発表へ
  4. 6年ぶりビッグネーム復活!? 新開発のV12エンジンが搭載されるフラッグシップGTとは
  5. “10年先を行く”究極のハイパフォーマンスホイール、レイズ『グラムライツ 57NR』の技術革新と魅力の全貌PR
  6. 水平対向8気筒エンジン搭載バイクは世界唯一、中国長城汽車の「SOUO」ブランドが発表
  7. トヨタ『シエンタ』対応の「車中泊キット」一般販売開始
  8. VWの小型ミニバン『キャディ』、改良新型を生産開始…5月末ドイツ発売へ
  9. 次期型はポルシェの兄弟車に!? VW『シロッコ』、電動スポーツカーとして復活か
  10. KGモーターズ、超小型モビリティの車名を『mibot』と発表
ランキングをもっと見る