【バンコクモーターショー16】カワサキ、Zシリーズの末っ子でブランド浸透めざす

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カワサキ Z125
カワサキ Z125 全 11 枚 拡大写真

他の日系ブランドと異なり、カワサキは実用モデルや小排気量のスポーツモデルをほとんど持たない。バンコクモーターショー16でも、これまで通り中~大型モデルをメインに展示するのは変わらないように思えた。

しかしブースの奥へ進むと、これまでになかった世界が広がっていた。2015年に発売した『Z125』と『Z125 PRO』のために、広大な空間を確保していたのだ。現在タイでは、ホンダ『MSX125』の発売を契機として、小径タイヤを持つ小型スポーツモデルの存在感が増してきている。これに合わせて、ブースの「裏の主役」に据えた格好だ。

先代モデルにあたる『KSR110』は、タイでは10年以上にわたってクラス唯一の小径スポーツモデルとして販売され続けてきた。ところが現在は125ccの競合モデルがいくつも登場。激戦区となりそうな気配もある。

長年親しまれた車名を変更したのは、Zシリーズのボトムエンドを担う車種と位置づけることで、ブランド特有の個性をアピールする狙いがあるのだろう。またZ125シリーズで獲得したエントリーユーザーにブランドの世界観を伝え、上級クラスにステップアップさせやすくするということもありそうだ。スタイリングもZシリーズと共通性を持たせていることからも、それは容易に理解できる。

しかし今回の展示では、フルカウルを持つロードスポーツのNinjaシリーズへもユーザーを導きたいという意欲が垣間見られるものになっていた。それどころかモトクロス仕様にカスタマイズしたモデルも展示したことからは、ラインナップすべてのイメージをこの小型スポーツモデルに投影しようとしたことが感じられた。

これまで「他の日系ブランドとは違う」ということが個性となっていたカワサキ。しかし今後は、これまで以上に個性的なブランドイメージを積極的に打ち出してゆくことになるのだろう。タイにおいても、2種のZ125の評判次第で市場におけるカワサキのイメージやポジションが大きく変わってゆく可能性もありそうだ。

なおZ125とZ125 PROの外観は同じで、違いはクラッチにある。自動遠心クラッチを持つのがZ125で、Z125 PROは通常のスポーツモデルと同じクラッチを持つ。日本市場へはZ125プロのみが導入されることになっている。

《古庄 速人》

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