【VW ゴルフ GTE 試乗】PHEVでも ゴルフ らしさは失っていない…諸星陽一

試乗記 輸入車
VW ゴルフ GTE
VW ゴルフ GTE 全 12 枚 拡大写真
現行『ゴルフ』をベースに1.4リットルエンジンと電気モーターを組み合わせたパワーユニットを搭載したモデルが、『ゴルフGTE』。

1.4リットルエンジンは150馬力/250Nm、モーターは75馬力/330Nm。つまりアウディ『A3スポーツバックeトロン』と同じシステムということになる。もちろんミッションも6速のDSGが組み合わされる。走行用のバッテリーなど基本的な仕様は同一。ただ、諸元表上のバッテリー走行可能距離はアウディeトロンは52.8km、ゴルフGTEは53.1kmと若干の差(300m)があるが、これは誤差の範囲とも言える。車重も10kgしか違わないのだから。

運転フィールは絶妙にいい。まず基本となるEV走行(Eモード)だが、これは6速DSGを組み合わせたことで130km/hまでエンジンの力を借りることなく走ることができる。これがゴルフGTEの強みのひとつだ。そしてエンジンの力が加わったときのハイブリッドモードではさらに力強い走りが可能となるし、効率のいい走りも可能だ。

チャージモードを選べば走行中にもバッテリーへの積極的な充電が可能だ。ゴルフGTEにはGTEモードというものが用意されている。GTEモードはつねにモーターとエンジンの両方を使って走れるというもので、もっとも力強い走りができる。ドイツ車らしい固められた足まわりと、バッテリーを搭載したことによる低重心化(重量そのものは増しているが、重心点は低くなった)によってハンドリングは機敏で気持ちいい。

アウディA3スポーツバックeトロンとの最大の違いは、充電方法にある。両車ともに急速充電には対応していないのだが、ゴルフGTEは200Vの普通充電しかできない。アウディは100Vと200Vの普通充電に対応。この差は100Vで充電できないのはちょっともったいない気がする。

ゴルフGTEは全体的にゴルフらしい雰囲気にあふれている。それは徹底してマジメに作っている感じが伝わってくる部分。質実剛健を絵に描いたような作りはゴルフらしい精神を失っていない。ゴルフはどうアレンジされてもゴルフ…というのが好感度を与えてくれた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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