1675年創業、340年の歴史を誇るタマヤ計測システム(本社・東京都品川区)は「SEA JAPAN2016」に実にアナログ的な製品を展示した。それは250年も前に発明された六分儀だ。デジタル時代の今、復活の兆しを見せているという。
六分儀とは、天体や物標の高度、角度を測定する計器で、正確に測定すれば海上で自分がどこにいるかわかるというものだ。そのため、航海に出る際の必需品だった。しかし、今はGPSが発達し、六分儀を船に携帯することがほとんどなくなってしまった。
「そんな六分儀が最近になって見直されているんです。実は米海軍の士官学校で、15年ぶりに六分儀の講習が再開されたんですよ」と同社関係者は説明する。
その理由にはこんな背景があるそうだ。サイバーネット上でハッキング攻撃が多発するようになり、GPSがハッキングを受けて使用不能になるリスクがあるためだ。そこで、海軍士官学校では、GPSが使用不能な状態に陥った場合に備えて、六分儀の講習を再開したわけだ。
同社関係者もこの動きに注目しており、これから需要が増えるのではないかと期待している。ちなみに六分儀の価格は15~20万円だ。