「春はスマホの忘れ物も多い」 電車内の落し物、列車番号もヒント

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電車内の忘れ物が多くなる時期。首都圏の忘れ物取り扱い窓口は混雑していた
電車内の忘れ物が多くなる時期。首都圏の忘れ物取り扱い窓口は混雑していた 全 4 枚 拡大写真

「車内にスマホなどの忘れ物が多くなる」という春。首都圏各路線の忘れ物を取り扱う窓口は、常に混雑。これを記す中年記者も週末、JR東日本の電車内でデジカメを落とし、2日後に手元に戻ってきたという始末だ。

その日、都心で用を済ませて帰ろうと乗った電車に、5千円のデジカメを座席に忘れた。「デジカメがない」と気づいたのは、東京から電車で1時間半ほどの地元の駅でだ。

翌日、JR東日本お問い合わせセンターに電話で問い合わせた。なかなかつながらなかったが、9回目につながった。やはり同様の問い合わせユーザーが多く、休むまもなく対応しているとうかがえる。

デジカメを落としたと思われる列車の乗車時間帯、乗車区間、さらにデジカメの色、かたち、ストラップやカバーの有無、目立つ特徴、型番などを伝える。「それに該当するものが駅に拾得されているようです。その駅に確認するのでこのままお待ちください」とオペレータ。

東京駅に保管されていた。オペレータが伝えるとおり、印鑑と身分証明書を持ち、東京駅お忘れ物承り所へ向かう。八重洲北口を出て、日本橋口方向へと歩いていくと、東京車掌区の先に小さな窓口がある。すでに“先客”が2人いた。

窓口手前のテーブルで「申込書」に記入。「忘れた時間・場所」「忘れ物 品名・特徴」を書き、窓口へ提出する。そのさいオペレータの“ひと言”を伝えるとサービススタッフの動きが早まった。ヒントは列車番号だ。

「忘れ物が落ちていたと思われる列車が◎◎◎です。この番号とアルファベットを窓口の係員に伝えてください」(オペレータ)

地元と東京駅の往復電車代で、このデジカメがもう1個買えてしまうが、拾ってくれた車掌か駅員か乗客に、保管してくれた係員に、オペレータに、感謝の気持ちを伝えたい。

こうした窓口は、京急でも始まった。同社は4月から、JRなどと同様の「お忘れものセンター」を京急鶴見駅付近に開設。「これまでは、拾得後すぐに警察に引き渡していたが、今後は京急側で3か月預かり、利用者の手元にできるだけ早く忘れ物が戻るようにしたい」(19日、同社広報)と伝えていた。

また、相互直通運転を行っている東急、京急、西武、東武、メトロ、都営といった各路線で忘れ物をした場合は、問い合わせの数も増えるかもしれない。たとえば、東急公式サイトの「他社路線直通電車でのお忘れ物について」には、横浜高速、メトロ、都営、東武、西武、埼玉高速、JR東と、7つもの問い合わせ先が記されている。東急は、「この時期、スマホや携帯電話の忘れ物も多い」という。

警視庁新宿警察署の管内では、「2014年の1年間に、3万6000件を超える遺失届が提出され、5万7000件を超える物件が拾われて、警察署に届けられている」という。現金を落としてしまったという届出は、1年間で総額4億5751万8204円に達している。

《レスポンス編集部》

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