【VW ゴルフトゥーラン 試乗】その良さは残念ながら一人じゃ実感できません…中村孝仁

試乗記 輸入車
VW ゴルフトゥーラン ハイライン
VW ゴルフトゥーラン ハイライン 全 21 枚 拡大写真

『ゴルフ』ベースのコンパクトなボディに3列シートを詰め込んだMPV『トゥーラン』。新しくなった以来乗れていなかったので、改めて乗ってみた。

【画像全21枚】

ボディは全体的にやや大型化し、特にホイールベースは110mm長く、全長×全幅はそれぞれ4535mm×1830mmとなった。そして逆に全高は従来型よりも30mm低くなっている。大型化していながら、ハイライン同士で車重を比較してみると、20kgの減量。さすがに技術の進歩は目覚ましい。

実は借り出した時から、2列目のシートにインテグレーテッドチャイルドシートというモノが装着されていた。勿論オプションであるが、身長が115cm以上あれば、チャイルドシートの代わりになる代物である。チャイルドシートもしくはジュニアシートは身長が150cm程度まで使えるから、年齢にして5歳程度までは優に使用可能。当然ISOFIXのチャイルドシート固定金具もある。まあ、VWが純正のチャイルドシートをオプションで用意したと思えばよい。

車体が大型化して、車高が下がったとなれば、室内スペースに余裕が出来て、かつ走りが良くなったと考えるのが普通。エンジンも従来型より10ps、30Nm引き上げられている。車重も軽くなっているわけだから、当然走りには好結果が得られると思うのだが、確かに実際に走ってみるとスイスイと快適でなかなか力強い。では旧型と比較して?と言われると直接比較していない分明確な答えは得られなかった。やはり乗り比べをしてみないと、その違いは判らないというのが本音だ。

このクルマにはもう一つ、面白い装備がある。それが「モビリティタイヤ」。タイヤの内側にシール材を貼って、釘の踏み抜きなどによるパンクを防いでくれる。これ、あくまでもタイヤ接地面に5mm以下の太さのものが刺さった時に、安全な場所まで走行することが出来るというもので、ランフラットタイヤとは性格が違う。『パサート』から採用されていて、パサートは保険をかけてスペアタイヤを積んでいたのだが、トゥーランではそれがなくなった。ランフラットに対し、サイドウォールが硬くならず、その分乗り心地に好結果を与えるという。ただ、あくまでも5mm以下の太さのものを踏み抜いた時に有効なだけで、ランフラットのように走れてしまうわけではないから、タイヤ空気圧警告灯を常にチェックしている必要がある。

今回のモデルで最も力が入っているのは安全面だ。9エアバックに始まり、アクティブボンネット等々。最近流行りのACCからレーンキープアシストなどもすべて標準装備。各メーカー自動運転にまっしぐらという印象だが、僕はこれらの装備はすべて、今や完全についているのが当たり前でその質を問う時代に入ったと考えている。その意味は、例えばどれだけリニアに介入できるかとか、どれだけスムーズな加減速が行えるか。また、レーンキープもどれだけ自然なステアリング操作ができるかとか、認識率がどの程度高いか等々。30km/hになると切れます…なんて言うのは論外である。

というわけで1週間乗せていただき、その走りの良さは堪能できたのだが、このクルマの本質は、どれだけ大人数が快適に乗って走れるのか。その意味では2列目及び3列目の快適性こそ重要視されてしかるべきクルマである。残念ながらドライバーは僕一人。したがって、2列目も3列目も体験することはできず、本当のトゥーランの良さは実感できなかったというのが偽らざる印象であった。やはりこの種のクルマは複数のドライバーと交代交代に乗ってこそ真価がわかる。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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