小田急電鉄、複々線完成に合わせラッシュ時大幅増発へ…混雑率は30%低下

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代々木上原~梅ヶ丘間の複々線化は2017年度の予定。現在は緩行線の工事が進められている。
代々木上原~梅ヶ丘間の複々線化は2017年度の予定。現在は緩行線の工事が進められている。 全 3 枚 拡大写真

小田急電鉄はこのほど、小田原線で進めている複々線化工事の完成にあわせ、2018年3月に抜本的なダイヤ改正を実施すると発表した。ラッシュ時の運転本数を大幅に増やし、混雑率を160%程度まで下げる。

小田原線の代々木上原(東京都渋谷区)~梅ヶ丘(世田谷区)間では、地上の線路を地下に移設するとともに、線路を増設して複々線化する工事が2004年9月から始まった。地下化は東京都を事業主体とする連続立体交差事業(連立事業)として、線路の増設は小田急を事業主体とする複々線化事業として、一体的に実施されている。

2013年3月には急行線による暫定的な地下化が完了し、9カ所の踏切を解消。現在は地下緩行線の工事が進められており、2017年度の複々線完成、2018年度の事業完了を予定している。これに伴い小田急は、複々線の完成に合わせた抜本的なダイヤ改正を2018年3月に行うことにした。

発表によると、平日ピーク1時間あたりの運転本数は現在27本だが、複々線の完成後は36本を目安に増発。千代田線直通列車も現在の5本(平日ピーク1時間あたり)から12本を目安に増やす。

所要時間も短くなり、平日8時30分頃に新宿駅に到着する場合、町田駅からは今より10分短い38分に。新百合ヶ丘駅からは6分短縮の28分、小田急多摩センター駅からは5分短縮の40分になる見込みだ。

小田原線で最も混雑している世田谷代田~下北沢間の平均混雑率は、1975年度が229%だった。その後は徐々に緩和されているものの、ここ10年ほどは190%前後で横ばいになっている。複々線の完成による列車の増発で、混雑率は160%程度まで下がるという。

このほか、小田急は「複々線効果」による増収も見込んでいる。同社の鉄道事業における旅客運輸収入は年間1100~1150億円程度で推移しているが、2020年度には現状より50億円程度の増収を目指すという。

《草町義和》

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