【ボルボ XC90 T8 試乗】全天候オールロード&3列シートのPHVリムジン…青山尚暉

試乗記 輸入車
ボルボ XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription
ボルボ XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription 全 18 枚 拡大写真

ボルボ最新の高級SUV、3列シートでPHVの『XC90 T8』に試乗した。

パワーパッケージは2リットル直4ターボ&スーパーチャージャーエンジン320ps+8ATとリヤモーター67psを組み合わせたもの。

オプションのエアサスを奢った、21インチタイヤを履くXC90 T8。ドライブモードでハイブリッドモードを選択し(サスはコンフォートになるらしい)走らせれば、試乗会場となった成田空港周辺の、路面がトラックで痛めつけられた市街地でも乗り心地はシャキッとしていながらゴツゴツ感皆無かつ、素晴らしくフラット。本当に21インチタイヤを履いているのか!? という感覚だった。

アクセルペダルは軽く、約2.3トンもの車重を感じさせない軽やか極まる走りっぷりには驚きを隠せない。Aピラーが立ち気味で、実際のボディサイズを感じにくい走りやすさも確認できたのだ(激狭の道は別だろうが)。

室内は終始文句なく静かで、エンジンの“4気筒感”も極めて薄い。その後試乗した、4気筒エンジンを積む純ガソリンモデルのT6と比べるとエンジンは黒子に徹している印象だ。もちろん、アクセルを深く踏みつければ4気筒らしいサウンドを発するのだが、それも遠くから聞こえてくる程度と言っていい。

高速走行に移れば、ロードノイズの見事な遮断と、段差越えの際のサスの絶妙ないなしかたに感動できる。豪華かつ静かで快適至極な室内環境。これなら例え片道500キロの高速移動も苦にならないに違いない。

ドライブモードにはピュア(EV)、HV、セーブ、AWD、パワー、オフロードのモードが備わるが、パワーモードではアクセルレスポンスが高まり、乗り心地も一気に硬くスポーティなものになる。しかしそれでも粗い乗り心地とは無縁。快適なスポーツリムジンへと変貌する。

このボルボXC90 T8は3列シート、PHV、AWDという特徴を持つ豪華高級なSUV。FF/FRの高級セダンやワゴンタイプでは得られないオールロード性能、全天候に対応する超高級リムジンと言える存在だ。

試乗車はエアサス仕様だから乗降時に車高が下がり、サイドシル、ラゲッジの開口部地上高は通常位置(T6など含む)から約50mm下がるため、乗降、荷物の出し入れが一段と容易かつスマートに行える点も嬉しい。

もちろん、世界初の「右折時対向車検知機能」を始めとする先進安全装備の充実度もボルボらしさであり、選択の決め手になるというものだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)が発売中。

《青山尚暉》

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