【新聞ウォッチ】大量リコールに揺れるタカタ、米投資ファンド支援に名乗り

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タカタのエアバッグリコール対象となっているホンダ アコード(資料画像)
タカタのエアバッグリコール対象となっているホンダ アコード(資料画像) 全 1 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年5月27日付

●伊勢志摩サミット、経済リスク回避へ協調、機動的財政宣言明記へ(読売・1面)

●リニア大阪延伸前倒し、当初目標45年、最大8年早く、JR東海方針(読売・11面)

●次の信号の色速度計に表示、ホンダ、アコードに標準装備(朝日・8面)

●消費増税再延期へ、首相「リーマン前に似る」脱デフレ向け判断(毎日・1面)

●原油一時50ドル突破、NY市場、7カ月半ぶりの高値(毎日・6面)

●タカタ支援名乗り、米ファンドKKR出資を検討(毎日・7面)

●三菱自と日産、軽販売7割減、5月、燃費不正影響(毎日・7面)

●セブン&アイHD井阪体制不安な船出、米ファンドと対立懸念(産経・10面)

●自動運転公道実験初の指針、警察庁「完全自動」認めず(産経・28面)

●サミットで自動運転体験、日本の先端技術PR(東京・7面)

●いすゞ・日野開発へ、トラック隊列で自動運転(日経・1面)

●社説、自動車燃費への信頼を取り戻すために(日経・2面)

●激動・三菱自「白黒つけようぜ」(日経・2面)

●アイシン1%減益 今期営業熊本地震の影響200億円(日経・11面)

●三菱自、来月も一時帰休、水島製作所労組と合意(日経・15面)

●パーク24,最高益90億円、カーシェア事業も好調(日経・17面)

●銘柄診断、三菱自、反発、一時10%高日産との提携効果期待(日経・18面)

ひとくちコメント

欠陥エアバッグの大量リコール問題で屋台骨が揺れているタカタに新たな動きが出てきた。米投資ファンド大手のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が支援に名乗りを上げたことが明らかになったもので、自動車メーカーとのリコール費用の分担など、停滞していた交渉が再開する可能性もみえてきた。

5月26日朝に日経電子版が報じたことを受けて、26日の東京株式市場でタカタの株価が急上昇。制限値幅の上限(ストップ高水準)にあたる前日比80円(21%)高い458円で取引を終えたほどである。

きょうの各紙も「米ファンドKKR、タカタ支援に名乗り」と報じているが、日経などは「再建には解決すべき課題が山積する」とも伝えている。

リコール対象は世界で1億台、リコール費用の総額も全世界で1兆円を上回る。タカタはホンダ、トヨタ自動車、米フォード・モーター、独フォルクスワーゲン(VW)など日米欧の車メーカー10社以上と取引があるが、メーカー間の考え方に温度差があるのもネックだ。仮に、KKRが出資に名乗りを上げたとしても支援企業になるための調整には難航も予想される。

さらに、利用者からの損害賠償請求など偶発債務のリスクも見通せていない。交渉が長期化することも十分考えられる。支援交渉がまとまらなければ債務超過に陥るリスクも強まり、タカタの経営破綻の危機も避けられなくなる。

このところ、メディアは「燃費不正」の問題ばかりがクローズアップされているが、長期化しているタカタ支援の問題は目の上のタンコブ程度ではすまない深刻な問題である。

《福田俊之》

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