高速道、対面通行で死亡事故相次ぐ…暫定2車線は全体の30%

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石井啓一国土交通相(6月7日・霞が関)
石井啓一国土交通相(6月7日・霞が関) 全 1 枚 拡大写真

暫定2車線の対面通行の高速道路で、死亡事故が相次ぐ。7日、国土交通省は常磐道(いわき中央IC~岩沼IC)の延長128kmの4車線化について、復興・創成期間中の5年以内に完成を目指すとした。しかし、その区間でも死亡事故は起きた。

先月5月4日、乗用車と乗客40人を乗せた高速バスが、福島県大熊町の常磐道で正面衝突。乗用車を運転していた母親と小学生の子供が亡くなった。乗用車が対向の下り線に進入したという。

常磐道のように工期を定めず、これから4車線にした場合の効果検証に入る松山道でも今月6日、死亡事故が起きた。愛媛県伊予市のトンネル内で軽自動車と乗用車が衝突。軽自動車運転の男性1人が亡くなった。今回は効果検証の路線には選ばれなかった長崎道でも、5月25日に長崎市のトンネル内で高速バスと軽自動車が正面衝突して軽自動車の男性運転手1人が亡くなっている。

暫定2車線の道路は高速道路全体の30%を占める。前述の3件の事故現場も、道路設備はラバーポストで仕切られただけだった。

主要な高速道路では、上下線が完全に独立しているか、グリーンベルトなどがある中央分離帯で対向車線から逸脱できないような分離構造になっている。暫定2車線の高速道路でも整備計画上は、いずれ4車線化されて分離構造になるはずだが、現状では暫定的に中央線の上にラバーポストなどが設置されているだけだ。
「暫定2車線では、路肩や中央分離帯の分も含めて十分な道路幅がなく、事故などの緊急時に1車線で交互通行をすることも考えられる」(道路局高速道路課)

3月、社会資本整備審議会は道路分科会で、暫定2車線路線に付加車線を設置する設置基準案を議論。7日の石井啓一国土交通相の暫定2車線区間の一部4車線化は、これを受けた検証で、常磐道の4車線化も含めて、走行性と安全性の確保を強く打ち出した。しかし、「課題としては古くからある」(前同)暫定措置は、“とりあえず”無期限で続く。

《中島みなみ》

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