【マツダ CX-3 試乗】XD・4WD、乗り味の向上度は2WD以上…島崎七生人

試乗記 国産車
マツダCX-3 XD ツーリング Lパッケージ・4WD
マツダCX-3 XD ツーリング Lパッケージ・4WD 全 7 枚 拡大写真

個人的には改良型『CX-3』のうち、もっとも期待を寄せていたのが4WDモデルだった。というのもデビュー当初の試乗で主に乗り心地面で納得がいかない部分が多々あったから。従来型オーナーの身になるとフクザツだが、進化していればそれは歓迎だ。

結論からいうと、よくなっていた。その改良の度合いは2WD車以上に実感できた。“懸案”だった乗り味だが、低速からしっとりとした足の動きと快適なフラットライドで、まさに「こうしてほしかった!」というもの。

2WD車に対し車重は+70kg(前+20kg/後+50kg)で、タイヤ空気圧は前後250kPa(2WD車は前/後=250/230kPa)のスペック。イメージとしては、路面からの入力は足が効果的にいなし、走行中の不要な揺れはリヤを中心とした車重で抑え込んでいる感じ。フロントが煽られず、リヤの突き上げが気にならなくなっている。コンパクトなSUVの理想形といっていいほど、安心感、安定感、さらに上質感を高めた乗り味に進化している。

ステアリングも2WD車に対し、車重プラス分が効いている。切り込んだ際のアシストの立ち上がりに2WDより“タメ”があり、やや重めの操舵力に安心感が持てる。直進付近でステアリングを小さく左右に動かした際のタッチには僅かに感触のなさがあるが、それも2WDよりははるかに小さい。

1.5リットル・ディーゼルターボ+6速ATの動力性能自体、制御が見直され、ATでも出足からより力強くスムースに思えるようになった。こうなると、クッションの厚みが十分な後席に大事な家族を乗せてのドライブでも、より安心感が高まる。

試乗中の燃費は18.2km/リットルだった。これは高速道路+日常生活エリアで普通に走らせてのもの。表紙の車名ロゴが“太字”に変わった最新カタログの諸元表のJC08は21.2km/リットルだからまずまずといったところ。また試乗車に装着されていたBOSEのオーディオは、目の前、目の高さに音を定位させながら低音から高音まで自然な音を楽しませてくれる。「マツダコネクト」自体の操作ロジックがさらに整理、洗練されれば、オーディオ、ナビ、情報系の操作性はさらに向上するだろう、とも思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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