ダイハツ ムーヴ、オートライト点灯を早期化…日没前後の事故防止に

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仕様変更を行なったムーヴカスタム RS“Hyper SA 2”
仕様変更を行なったムーヴカスタム RS“Hyper SA 2” 全 8 枚 拡大写真

高い人気を維持し続けているダイハツの軽乗用車「ムーブ」が6月21日、一部仕様変更とお買い得グレードの追加を行った。その中でつい見逃しそうになるが、今後の一つの流れを占う上で重要な仕様変更があった。それが「オートライト点灯タイミングの早期化」だ。

国土交通省は現在、一定の暗さになるとヘッドライトが自動点灯するオートライトの搭載を義務づける方向で各自動車メーカーと協議を進めている。「日没前の車と人が関係する死亡事故のうち、ヘッドライトを点灯していなかったケースは8割に上る」(交通事故総合分析センター)という調査結果があるからだ。

欧州では2011年より新型車からオートライトの搭載を義務付けており、国土交通省の動きはこれに倣うものとも言える。日本でも全体の3割強がオートライト機能を搭載するが、その点灯タイミングは様々。日没を境に早めに点灯するものもあれば、日没を過ぎてもなかなか点灯しない車両もある。そのため、オートライトの機能そのものに疑問を持つ考え方が生まれても仕方がない。

ただ、オートライトが普及することでヘッドライト点灯に無頓着な人でも暗くなればライトは否応なしにONとなる。「オートライトは早期点灯に対する啓蒙にならない」との声もあるようだが、少なくともこの機能が搭載されていれば無点灯は防止できる。トンネル内でのヘッドライト点灯にも有効だ。

そんな中、ダイハツがムーブに対して実施した仕様変更はこれを先取りしたもの言える。しかも、ムーブが新たに搭載したオートライト機能は点灯タイミングが早めただけではない。そのタイミングをディーラーでの作業により、3段階に切り換えられるようにもなった。この機能は輸入車や一部の国産車でも取り入れられてはいたが、おそらく軽自動車でこの機能の搭載は初と思われる。

ユーザーとしての経験から言えば、これまでダイハツ車のオートライト機能は点灯タイミングが遅いと感じていた。ダイハツ広報に問い合わせると、「仕様変更したばかりのキャストも、同様の対応を7月の生産分から実施予定」とのこと。ダイハツは今後、他のラインナップにも広げていくものとみられる。

高齢者は周囲の状況に気付くのが遅れがちで、とくに日没の薄暗い時の視認能力は極端に落ちる。点灯タイミングを早めることで“気付き”につながっていけば、事故発生を未然に防止することに役立つはずだ。この機能の一刻も早い広がりに期待したい。

《会田肇》

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