【INDYCAR 第10戦】ウィル・パワーが変則2連勝…琢磨は前半好走も17位

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#12 ウィル・パワーが変則2連勝を飾った。
#12 ウィル・パワーが変則2連勝を飾った。 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第10戦の決勝レースが現地26日、米ウィスコンシン州エルクハートレイクの「ロードアメリカ」で行なわれ、2014年王者のウィル・パワーが今季2勝目を飾った。佐藤琢磨は前半好走を見せるも、最終結果17位。

前戦が悪天候によりレース途中で中断、約2カ月半という異例の“水入り”となって迎えた第10戦。「ロードアメリカ」は雄大な高速ロードコースで、トップオープンホイールレースの開催は9年ぶりである。レース中盤までは大きな動きの少ない展開だったが、皆が最終ピットインを終えた頃合いでこの日唯一となるフルコースコーションが出て車間が詰まると、最終盤は各所で迫力ある高速サイド・バイ・サイドの戦いが展開されるようになった。

しかし、ポール発進のウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)は実質の先頭を一度も譲らぬ圧勝劇を完遂。2番手のトニー・カナーン(#10 Chip Ganassi Racing/シボレー)が最終スティントにソフトタイヤを残していた強みを活かして最後に接近してきた時も、パワーはプッシュ・トゥ・パス(オーバーテイクシステム)の残弾を使うなどしてしっかり対応、逃げ切り勝ちを収めた。

「TK(カナーン)はレッド(赤帯の付いたソフトタイヤ)でハードに攻めてきた。先頭を守るためにできる全てのことをやったよ」と言うパワーだが、コメント内容ほど切羽詰まった状況には見受けられなかった。「マシンもエンジンも驚くべき速さだった。ワクワクするくらいにね。ファイアストンタイヤも素晴らしかったよ」。ポール・トゥ・ウインの万全なる勝利、パワーがロードアメリカを完全制圧したといっていいだろう。

パワーは第8戦(デトロイト第2レース)に次ぐ勝利で、今季2勝目。前戦の第9戦が未決着のため、変則ながらも2連勝というかたちになった。前回の勝利は1年以上ぶりのものだったが、一昨年の王者が軌道に乗ってきたか。チャンピオン争いではトップと81点差ある3位だが、「まだ7レース残っているわけだし、最終戦では100点獲得のチャンスもある(通常は優勝50点)」と意欲的だ。2年ぶりの戴冠に向け、パワーは後半戦の主役となることを目指す。

決勝2位はカナーン。3位はホンダ最上位のグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing)で、4位にもホンダ勢のライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport)が続いた。5位はエリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)、6位にはチャーリー・キンボール(#83 Chip Ganassi Racing/シボレー)。

今季3勝を挙げてポイントランキング首位を快走中のシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)は常に2~4番手といったところを走っていたのだが、終盤のマシントラブルで順位を落とし、今回は13位。また前年王者スコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/シボレー)は2番手走行中のレース序盤にマシントラブルでストップし、リザルト上は最下位の22位だった。

佐藤琢磨(#14 AJ.Foyt Racing/ホンダ)は予選こそ15位ながらも、レースでは序盤からポジションを着々と上げていく好走を見せた。中盤には7~8番手を争うところまで進出。だが、ピットレーンでの速度超過によるペナルティを2度も受けてしまい、最終結果は17位に。チームメイトにも同じ状況が発生したらしく、チーム全体としてピットレーン・スピードリミッターに問題を抱えてしまっていたようだ。

佐藤琢磨のコメント

「予選は残念な結果でしたが、レースで我々のマシンの本当のパフォーマンスを見せられたことは良かったと思います。レース前半に何台かのマシンをパスし、浮上していくことができましたからね」

「ただ、不運にもピットレーン・スピードリミッターの問題を抱えてしまい、2度もペナルティを受けることになってしまいました。ですから、このリザルトは真のパフォーマンスを反映したものではありません。チームの仕事は素晴らしいものでした。我々はこれを持続して戦っていきます」

インディカー・シリーズの次戦(第11戦)開催地はオーバルコースの「アイオワ・スピードウェイ」。決勝レースは現地7月10日の予定だ。

《遠藤俊幸》

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