【VW パサートGTE ロングラン】その2 燃費重視で19.3km/h、航続は1000km超

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VW パサートGTE ロングラン
VW パサートGTE ロングラン 全 9 枚 拡大写真

福岡から東京まで、1000kmオーバーのドライブをVW『パサートGTE』で楽しむ企画。神戸で1泊した後、まずはクルマのディテールを撮影することになった。

基本的にパサートGTEはベースのパサートと大きな差はない。ところどころにブルーのアクセントが加えられ、それがPHVモデルのGTEであることを主張している。少しパサートGTEの解説をしておこう。

パサートGTEのパワーユニットは1.4リットルの4気筒ガソリンターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたもの。エンジンの最高出力は156馬力、最大トルクは250Nmとエンジンだけみても十分なパフォーマンス。これに116馬力、330Nmのモーターが組み合わされる。バッテリーはリチウムイオンだが電力量は9.9kWhとさほど多くない。カタログデータ上でのバッテリーで走行できる距離は51.7km。

ボディタイプはセダンと「バリアント」(ワゴン)の2種で、それぞれに標準タイプのGTEと上級の「GTEアドバンス」の2グレードを用意。アドバンスにはアラウンドビューモニターやパワーシートなどが装着されるほかタイヤが標準の215/55R17から235/45R18にインチアップされるなどしている。

価格はセダンGTEの519万9000円~バリアント(ワゴン)GTEアドバンスの599万9000円。

パサートはフォルクスワーゲンのなかでもかなりコンサバティブなクルマ。よく言えば落ち着いてるが、裏を返せばおもしろみにかけるという言葉がある。ところがこのGTEについては単なるコンサバだけではない。例えば積極的にLEDライトを取り入れていたり、メーターに液晶モニターを採用したりと、先進さを感じさせるアイテムも搭載。単なる古めかしいクルマではない。

さて、神戸でディテールの撮影をしながら、意外と疲れが蓄積していないことに気づく。けっこう腰まわりが弱い私は、プアなシートで長距離移動をすると翌日がとても辛いのだが、パサートGTEのシートはそうした弊害を起こさなかった。さらに今さらながらなのだが、諸元をチェックしていると試乗車であったアドバンスにはマッサージ機能まで付いている。これを使わなかったことには本当に残念。さらにラグジュアリーな移動ができたはずだ。

一般道を走っていると、おもしろいことに気づく。メーターを見るとバッテリー走行可能距離は0kmなのだが、信号での発進ということに関しては、わずかに残ったバッテリーでなんとかモーターを使おうとする。流れに乗った加速で、速度にして20km/hくらいまで。ほんのわずかな時間だがもっともエンジンに負担のかかる領域でモーターを使うことで燃費を稼ぎ出しているのだろう。

撮影が終わり、神戸を後にして「とりあえず行けるところまで行こう」ということでたどり着いたのが静岡県の浜松市。前日、福岡を出発してから約14時間の走行時間。距離にして914kmを走行した。平均燃費は17.5km/l。高速道路の巡航走行だけでなく、いろいろと試しながら、一般道も走りながらの走行なのでかなりいい成績だと言える。

浜松からは徹底した燃費走行でどこまで燃費が伸びるか? をチェックした。とはいえ、夏の昼間の移動である。エアコンは普通に作動。速度も他の交通に迷惑をかけないペースとして、可能な限りACCを作動させた状態での走行となった。そして、東京の品川区、フォルクスワーゲン日本のヘッドオフィスに到着した際の燃費は、19.3km/l(じつは到着の瞬間に19.4km/Lから19.3km/lに落ちたので限りなく19.4km/lに近い19.3km/lと考えて欲しい)。

パサートGTEのタンク容量は50リットルなので、ガソリン満タンで19.3km/lの燃費で965kmの走行が可能。これにPHVの充電走行分(カタログ上は51.7km)を加えれば1000kmの航続距離も可能。素晴らしく航続距離の長い性能を披露してくれた。

〈協力:VW〉

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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