スバルにテストドライバーはいない?…スバルドライビングアカデミー

自動車 テクノロジー 安全
スバル 車両研究実験第一部 部長 藤貫哲郎氏
スバル 車両研究実験第一部 部長 藤貫哲郎氏 全 10 枚 拡大写真

車の開発において、試作車や実車による性能評価はテストドライバーが行うのが普通だ。しかし、スバルには「テストドライバーはいない」という。

【画像全10枚】

そう語るのは、スバル 車両研究実験第一部 部長 藤貫哲郎氏。もちろんスバルにもテストドライバーはいる。藤貫氏の言葉の真意は、スバルでは設計エンジニアが自らハンドルを握り、開発車両の性能評価を行っており、エンジニアはテストドライバーでもあるということだ。

通常、開発車両の評価はテストドライバーが試乗や走行テストを行い、その結果をエンジニアに伝える。エンジニアは、それを考え、科学し、設計を完成させていく。性能評価のスキルと設計、エンジニアリングのスキルは別物で、それぞれをプロフェッショナルが担当するのには合理性があるし、効率がよい。

しかし、スバルは近年のクルマ作りで「安心感」 「走りの愉しさ」が何かを追求し、それを物理に置き換える(定量化、見える化)手法を強調している。そのためには設計者も自ら走り込み考える必要があると考えている。「ドライバーの評価能力以上のクルマは作れない」(藤貫氏)というわけだ。

現在、スバルにはテストコースで車を走らせ、評価するために、社内のライセンス制度が存在する。初級、中速、高速、特殊と4段階に分かれており、多くのエンジニアがライセンスを取得し、設計しながら自分でもテスト走行を行っている。

スバルは、もともとエンジニアが自分の設計や仮説を自分で運転して試す文化はあったという。そのためのテストコースライセンスというのに以前から存在した。しかし、初級から中速、中速から高速、さらに特殊と、ステップアップを支援するための制度やしくみはこれまで存在しなかった。

そこで、作り手にクルマの愉しさを知ってもらい、高度な車両評価能力を身につけてもらうため「スバルドライバイングアカデミー」を設立した。現在受講生は、各部門から選ばれた(もしくは立候補した)20人のエンジニアが、月1回の実技講習などを行っている。受講生はエンジン設計、車体設計、アイサイト設計、電動ユニット設計、自動運転技術のエンジニアと多岐にわたる。中には「みんなより遅いので」と、自主トレを行う受講生もおり、現在は、ほぼ毎週なんらかの活動を行っている。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. F1デザイナー監修『GR86/BRZ』向け「エイドロ」エアロパーツが日本上陸、正規販売を開始
  2. 【日産 エルグランド 新型】「威厳を取り戻したかった」デザイナーが明かす“このデザイン”になったワケ
  3. BMWアルピナ、次世代大型クーペ提案…サウンドにこだわったV8搭載
  4. 小型電動モビリティ「AIM EVM」、量産開始…まずは沖縄向けに24台
  5. 日産『ノート』次期型は2027年夏登場!? 新デザインで高級感アップ! 第3世代e-POWER搭載も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る