【ジャガー F-PACE 試乗】その名に恥じないピュアスポーツらしさの“S”…諸星陽一

試乗記 輸入車
ジャガー F-PACE S
ジャガー F-PACE S 全 10 枚 拡大写真

ジャガー初のSUVとなる『F-PACE(Fペイス)』の3リットルガソリンエンジンには、340馬力と380馬力の仕様が用意される。1割強のパワー差だが、組み合わされるシャシーの違いもありそのフィーリングはかなりスポーティだ。

SUVとは“Sport Utility Vehicle”の略。まあ簡単に言えば、走って楽しい荷物も人も乗れるクルマ…ってことになる。F-PACEのSは、そのグレード名“S”が示すとおり、SUVのなかでもS、つまりスポーツ性を重視したモデルと言っていい。搭載されるエンジンは、もっともパワフルな仕様で380馬力/450Nmという高性能さ。じつに1リットルあたり、127馬力を発生することになる。セダンの『XF S』と同じエンジンスペックだがXFがFRであるのに対し、F-PACEは4WDとなるのでより安定性が高い。

アクセルペダルをグイッと床まで踏み込んでも、安定感を保ったまま前へ前へと加速して行く。Sグレードにはアダプティブダイナミクスと呼ばれる電子制御サスペンションが装備されていて、姿勢を水平に保つように働くのでボディの安定感はバツグンにいい。ミッションはコンベンショナルなタイプだが、8速と多段化されているため各段のつながりはスムーズ。アップ時もダウン時も変速ショックを感じることはない。

さらにコーナリングのシャープさも見逃せない。走行モードを「ダイナミック」にすることで、ステアリングフィールは重みを増したしっかりとしたものとなる。つまり、じっくりと小さい舵角をコントロールしやすくなるわけだ。この状態でワインディングを走るのがじつに小気味よく気持ちいい。トルクベクタリングの働きもあり、ニュートラルステアに近いコーナリング特性を示す。ロールも少なめだ。

Sグレードはタイヤが265/40R22とかなり扁平率の低いものがチョイスされている。しかもブランドはピレリのPゼロと、完全にオンロード指向。車高は高いが、細部までピュアスポーツらしい仕上がりであることは言うまでもない。

車両本体価格は981万円。「35t R-スポーツ」よりも132万円ほど高いが、トップグレードということを考慮すれば妥当。プレミアムSUVらしい価格と言える。

パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  3. メルセデスベンツ『ウニモグ』、低床仕様登場…荷台高1200mm以下で作業効率向上
  4. トヨタ RAV4 新型の競合は? 価格帯別にライバルを予想する
  5. “空気圧が減る理由”を徹底解説! 今日から始める賢いタイヤ管理術~Weeklyメンテナンス~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
ランキングをもっと見る