【プジョー 508 ディーゼル 試乗】ポケモンGOの波に乗れないコンサバ世代にはしっくり…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
プジョー 508
プジョー 508 全 12 枚 写真をすべて見る

今後、プジョーはこの『508』シリーズを、すべてディーゼルにするという。大胆な決断ではあるものの、乗るとその判断が正しいことがよくわかる。なにせ乗りやすい。

トルクがあるエンジンは、運転が苦手な人にこそ乗ってもらいたいものである。それにガソリン車に対し、燃費は18%向上している。カタログに載っている数字は18.0km/リットル。もちろん、走りかたによってここまでの燃費は出ないだろうが、対ガソリン車で18%向上していることは、変わることのない事実だ。

『208』や『308』シリーズが、径の小さなハンドルでクイックな走りと個性的なインテリアを展開しているのに対し、508のインテリアはいまだコンサバで、やや古さ感が否めない。けれど、ずしりと手ごたえのある大柄なハンドルは、ポケモンGOの波にまったく乗れない世代には、やけに心地よくて落ち着く。

ディーゼル・エンジンの音は遮音がよくきいているし、308と同様に、信号待ちではエンジンがストップし、再始動のときのするりとしなやかな感じは好感がもてる。ただ、試乗した際は、信号停止時間より先にエンジンが再始動することが多く、もう少し長く止まっていて欲しいと感じることが多かった。このあたりは、エアコンの効きと燃費のバランスをどうとるかという問題なので、走りかたや外気温、個人の好みによって印象が変わるところだ。

スポーツモードでは走りがアグレッシブに変わるものの、インパネに小さく「s」と表示されるだけなので、そのあたりのエンタメ性は弱い。でも、508にはそんなエンタメ要素は必要ないのかも。トルクのあるエンジンに、しっとりしなやかなサスペンションで、ゆったり走りを楽しんでいただきたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「FJクルーザー復活マジかよ!」価格は400万円台? トヨタの新SUV『ランドクルーザーFJ』にSNSが注目
  2. 【シトロエン C4 新型試乗】“もうひとつのダンパー”がなかなかいい仕事をしている…島崎七生人
  3. ハイブリッドとガソリンで顔が違う!新型トヨタ『カローラクロス』米国発表
  4. 日産が経営再建計画「Re:Nissan」を発表---7工場閉鎖、2万人削減、2026年度黒字化
  5. 日産、国内外7工場閉鎖へ、エスピノーサ社長「厳しい目で精査した」[新聞ウォッチ]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  2. 地域再エネ活用の収益を還元、ホンダ N-VAN e:を茨城県神栖市へ無償提供
  3. BYDが「軽EV」の日本導入を正式発表、2026年後半に
  4. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  5. VWと米ウーバーが提携、『ID. Buzz』の自動運転車を運行へ
ランキングをもっと見る