【DS 4 クロスバック 試乗】デザインに特化したDSブランドらしいモデル…松下宏

試乗記 輸入車
DS4
DS4 全 14 枚 拡大写真

シトロエンからDSが独立し、『DS4』のマイナーチェンジに合わせてDS4クロスバックが追加設定された。日本ではシトロエン自体がニッチな存在なのに、それから更にDSを分けることにどれだけ意味があるか分からないが、本国の方針に従って分けることになった。

【画像全14枚】

新設定のDS4クロスバックはSUV感覚を備えたクロスオーバーモデルで、DSのデザインをより際立たせる特徴的なデザインを採用する。

外観デザインはフロントグリルに特徴がある。グリルの中央にDSのエンブレムが配置されるとともに、グリルの周囲はDSウイングと呼ぶデザイン処理によって大きなメッキモールで囲まれている。DS4と『DS5』に共通するDSの顔であり、デザインに特化したDSらしい部分だ。

またクロスオーバーモデルらしくルーフモールディングを始め、ルーフエンドスポイラー、バンパー、17インチのブラックホイール、ホイールアーチなど、DS4クロスバックに専用の仕様がいろいろと用意されている。

DS4クロスバックは、標準のDS4に対して30mm高い1530mmの全高を持ち、最低地上高も20mm高い170mmの設定とされている。これだけ見るとDS4をベースに、ロードクリアランスを確保したSUV感覚のモデルを作ったかのようだ。

でも従来のシトロエンDS4は全高が1535mmで最低地上高が170mmだった。DS4クロスバックのボディはそれとほとんど変わらない。むしろマイナーチェンジ後の標準のDS4の方が、DS4クロスバックに対して低めの全高と最低地上高を持つようになったのだ。

DS4のボディはリヤドアの取っ手がピラーに隠された独特の5ドアだ。リヤドアと一緒にクォーターの部分も一緒に開くようになっているが、この三角形の出っ張りは相当に邪魔。注意しないと体をぶつけて痛い思いをする。個性的ながら、危険な突起になるようなデザインが許されるのは不思議である。

リヤドアの開口部は小さめで乗降性は良くないし、乗り込んだ後の室内空間も狭い。しかもドアガラスはいわゆる“はめ殺し”になっていて、全く開かない。快適とはいえない後席なので事実上二人で乗るクルマと考えた方が良い。

搭載エンジンは1.6リットルの直噴ターボ仕様で、121kW/240N・mの動力性能を発生する。数値自体はこのクラスの平均値ともいえるが、車両重量は1370kgでこのクラスとしてはやや重い部類に入るので、元気の良い走りというわけはいかない。

低速トルクが確保されていることと、アイシン精機製の電子制御6速ATとのマッチングの良さによって、市街地などでは滑らかな走りを見せる。

乗り心地はやや意外なことにしっかりした感じで少し硬めの乗り心地だった。シトロエンに由来するDSなら、もっと乗り心地を重視した足回りかと思ったらそうではなかった。170mmというやや高め最低地上高に対応し、操縦安定性を確保するための設定なのだろう。

DS4クロスバックの価格は338万円でDS4の中では最も高い。ベースのシックは293万円だから45万円高の設定である。デザインの違いのほかに本革(コンビ)シートなどの装備の違いもあるが、ちょっと高めの印象である。

安全装備の採用に遅れが目立つのも気になるところ。先進緊急ブレーキなどの運転支援装備はDS4クロスバックには何も装備されていない。現代のクルマには欠かせない装備なので、早期の採用を望みたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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